[비즈한국] グラミー賞だけが、K-POPに対して頑なに扉を閉ざしている。しかし、その扉はいつか開かれるほかない。世界的な潮流を止めることはできないからだ。その扉を開くことは、文化に対する差別と偏見を克服し、音楽的正義を実現する象徴的な行為でもある。だが、私たちには段階的な戦略が必要だ。

2022年11月16日、BTS(防弾少年団)がグラミー賞の「ベスト・ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス」部門と「ベスト・ミュージック・ビデオ」部門の候補にノミネートされた。「ベスト・ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス」部門にはコールドプレイとのコラボ曲『My Universe』が、「ベスト・ミュージック・ビデオ」部門には『Yet To Come』が選出された。何より3年連続のノミネートである。2020年と2021年にも『Dynamite』と『Butter』で「ベスト・ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス」部門の候補に上がった。特に2020年の候補入りは、「アメリカン・ミュージック・アワード」3年連続受賞、「ビルボード・ミュージック・アワード」4年連続受賞という実績の後に得た結果だった。2022年の成果といえば、初めて「ベスト・ミュージック・ビデオ」部門の候補に選ばれたことである。
しかし、2023年2月25日の第65回グラミー賞でも受賞には至らなかった。グラミーは結局、BTSをステージに立たせただけで、受賞の栄冠は与えなかった。さらに、最年長のジンを皮切りに、メンバー全員が兵役につくことになった。その後、K-POPアイドルがグラミーの候補に上がることはなかった。BTSの不在は大きかった。
ついに今年6月、BTSが完全体として戻ってきた。ただし、アルバムは2026年春に発表する予定だという。2025年下半期に活動すれば、2026年2月のグラミー賞候補に十分に上がれるはずだ。その点では残念だが、早まったカムバックよりも完成度の高い音楽とパフォーマンスが重要だ。
こうした中、BLACKPINKが高陽総合運動場メインスタジアムで開催されたワールドツアー「DEADLINE」のステージを通じて完全体としてカムバックした。さらに注目すべきニュースがある。BLACKPINKの新曲『JUMP』のミュージックビデオに、デイヴ・マイヤーズ(Dave Meyers)監督が参加したというニュースだ。
マイヤーズ監督は、2016年にCLの『LIFTED』、2017年にはWINNERのダブルタイトル曲の一つである『REALLY REALLY』のミュージックビデオを演出するなど、YGと縁を深めてきた。何よりも彼は、2005年と2018年のグラミー賞で最優秀ミュージック・ビデオ賞を受賞した経歴がある。
彼はWINNERの『REALLY REALLY』の演出を最初は断っていた。アイドルミュージックビデオの演出経験がなかったからだ。今や経験とノウハウが蓄積されただけに、BLACKPINKのミュージックビデオで生み出す成果に期待が高まる。すでに『JUMP』のティーザー映像からは、並々ならぬ感性と雰囲気が漂っている。グラミー賞進出を期待するに十分だ。
米国でアルバム制作を行うというBTSも、似たような考えではないかと推察される。実はBTSが米国でアルバムを制作すると明かしたことに対し、疑問を抱く視点もある。韓国で作ってもいいはずなのに、なぜわざわざ米国で? グラミー賞のための事前の布石と見ることもできる。
グラミー賞は「アメリカン・ミュージック・アワード」や「ビルボード・ミュージック・アワード」と違い、ファンダムの投票や客観的なアルバム・音源データではなく、音楽業界関係者らの投票によって決定される。そのため、楽曲やアルバム、ミュージックビデオなどの制作において、米国の現地音楽業界関係者とコラボレーションすることが重要だ。単なる支援という次元を超え、米国の音楽産業との「コラボレーション共同体」に入り込むことが必要である。

そうした面で、BLACKPINKが活動目標をグラミー進出に定めることは肝要だ。さらに、かつてないほどBLACKPINKのブランド価値と認知度は高い。個別の活動を通じて、単なる企画型アイドルではなくアーティストであることを十分に証明し、世界規模のファンダムを形成した。代表例として、ロゼとブルーノ・マーズのコラボ曲『APT.』を通じてそれが十分に証明された。BTSも同様に、個別活動と完全体活動を行き来しながら相乗効果を生み出した。これは、世界的に見ても類を見ない、個人と全体が調和する柔軟な音楽活動の事例といえる。
西洋ではバンドが個人に分かれた後、ソロ活動とバンド活動を行き来する手法を考えるのは難しい。今こそ、個別のアーティスト能力とバンド活動を自在に操るK-POPグループがグラミー賞に進出する時が来た。そのスタートをBLACKPINKが切らなければならない。特にこれまでグラミーがK-POPガールズグループを排除してきた側面があるだけに、なおさら必要だ。Netflix『K-POPデモンハンターズ』のハントリクスの影響で、これまで以上に雰囲気が高まっていることもポジティブな要因だ。BLACKPINKのファンダムもまた、グラミー候補入りを目標により集中的な支持を集める必要がある。今や、BLACKPINKがグラミーの扉を開く足掛かりとなる十分な条件が整った。
筆者のキム・ホンシクは、20代の頃から「文化の中に世界を少しでも良くする方法がある」という期待を抱き、特に大衆文化という現象の森を歩き、あるいは切り拓いてきた。人工知能と量子コンピューターが活躍する21世紀にも、依然として同じ信念で一筋の道を歩んでいる。