[비즈한국] 「サムダルリへようこそ」(JTBC)の人気が凄まじい。初回視聴率5.2%でスタートし、先日の第12話では9.8%で自己最高視聴率を記録した。本作は、済州島の小さな村サムダルリで生まれ育ち、ソウルで“地元の星(川から生まれた龍)”となったチョ・サムダル(シン・ヘソン)が、不慮の事件で失脚し、再びサムダルリに戻ることで繰り広げられる物語だ。成功を夢見た都会で傷つき、故郷(あるいは故郷のような場所)へ帰って癒やされるというストーリーは、『リトル・フォレスト』や『海街チャチャチャ』など多くの作品でも描かれ、好反応を得てきた。一体、故郷とは何なのだろうか?

幼い頃から如意宝珠を見つけて龍になるという抱負を持っていたチョ・サムダルは、ついにソウルで成功を収めた。幼い頃からカメラを手に済州のあちこちを撮影していた彼女は、上京して大学、留学、そして過酷なアシスタント時代を経て国内トップクラスのフォトグラファーとなり、世界的に名高い海外雑誌のワールドツアー展を目前に控えていた。しかし、アシスタントのパン・ウンジュ(チョ・ユンソ)が、サムダルのパワハラや暴言で自殺を図ったという虚偽の暴露をしたことで、一瞬にして転落してしまう。準備中だった写真展がパワハラ騒動で水泡に帰したものの、その写真展のタイトルが『人:私の味方』だったことは、実にも皮肉なものだ。
上京18年、フォトグラファー15年の歳月を積み重ねる中で、味方だと思っていた人脈や、サムダルと働きたがっていたトップスター、雑誌編集者、企業たちは、騒動が持ち上がるやいなや、サムダルとの「縁切り」に躍起になった。誰もサムダルの話を聞こうとせず、誰も彼女に大丈夫かと尋ねなかった。逃げるように戻った故郷サムダルリで、最高に情けない姿で出会ったチョ・ヨンピル(チ・チャンウク)を除いては。

チョ・サムダルが戻った川とは、済州島の小さな村サムダルリのことだ。両親がいて、幼い頃から「鷲の五兄弟」と呼ばれた仲間たちがいて、そして生まれた瞬間からサムダルと30年を共に過ごした元恋人のチョ・ヨンピルがいる場所。都会に出て龍になると言ったサムダルとは対照的に、一生をかけて海女の仕事で子供たちを育てた母コ・ミジャ(キム・ミギョン)と父チョ・パンシク(ソ・ヒョンチョル)はサムダルリを守り続けてきた。仲間たちもまた夢を抱いてソウルへ上京したが、結局戻ってきた。幼い頃から母とサムダルが自分の夢だと言っていたヨンピルは、気象庁本庁から絶えずラブコールを送られる有能な予報官に成長したが、今も自分とサムダルが生まれ育ったサムダルリを守っている。
騒動で彼女を突き放した「偽の味方」ばかりだったソウルとは違い、サムダルリにはサムダルを傷つけようとする者たちの前に躊躇なく立ちはだかる「味方」たちがたくさんいる。第12話で、サムダルを再びサイバーいじめの世界へ引きずり出し、最後まで踏みつけようとするパン・ウンジュに対し、町の人々や友人が腕まくりをして立ち向かい、母コ・ミジャがミカン農園で使う酢をバケツごと浴びせる姿を見てほしい。これほど心強いことはない。

こうなると、改めて聞きたくなる。結局、故郷とは何だろうか。ソウル出身の私には、サムダルが感じるような意味での故郷がない。西大門区で生まれ、江東区を経て、成人するまで長い間瑞草区で育ったが、どの地域にも故郷という感覚はない。ソウルで育ち生活しているので、当然ソウルに対する親しみはあるが、サムダルや鷲の五兄弟のように、失敗して帰ってもいつでも自分を包み込んでくれる場所だと思ったことは一度もない。むしろソウル人は、失敗してソウル以外の場所へ行くことになるのではないかと、無意識のうちに恐れている。
「イン・ソウル(ソウル市内の大学)」に入れず、ソウル市内のまともな会社に就職できなければ失敗したとみなされ、端くれでもソウルの中に拠点さえ構えれば一応の成功とみなされる社会的な雰囲気があるからだ。だから故郷という言葉に共感はできないが、サムダルの故郷には少し羨ましさを感じる。自分が失敗して戻っても受け入れてくれる空間、そこで変わらない人々がいるなんて。故郷を持っている人々は皆、チョ・サムダルのように故郷が最後の砦であり安らぎなのだろうか? それともこれもまた、私のような精神的な故郷を持たない都市人が投影して作り上げたロマンなのだろうか。いずれにせよ、『サムダルリへようこそ』は、故郷を持たない都市人の疲れた心をそっと癒やしてくれる。

『サムダルリへようこそ』のすべてを納得しているわけではない。他意に近い形で別れたとはいえ、別れてから8年という歳月が流れ、その間に人が変わっていく中でも、変わらぬ純情を貫くチョ・ヨンピルの愛は、まさにファンタジーのようだ。サムダルとヨンピルの関係をただ横で見守っていたプ・サンド(シン・ジェウォン)の純情や、20数年の歳月を経ても亡き妻を忘れられず、妻の死に責任があると思うコ・ミジャを憎むチョ・サンテ(ユ・オソン)の純情など、このドラマに充満する「初恋至上主義」も重たく感じられる。
ところがその一方で、川から生まれた龍と共に、今の世の中では消滅したと思われていたこの重たい純情こそが、このドラマの人気要因のようでもある。いわゆる「格」が合う相手を探さなければならず、その格から外れた出会いは欲か不謹慎だと見なされる殺伐とした世の中ではないか。そんな世の中で、親の反対で別れても決して互いを忘れることはできない切ない心、ドーパミンを分泌させるドロドロの愛憎劇ではなく、至高の愛を語るドラマだなんて、驚きではないか。

『サムダルリへようこそ』は残り4話となった。因果応報の論理に従って「悪役」パン・ウンジュとサムダルの元彼チョン・チュンギ(ハン・ウンソン)が徹底的に没落し、チョ・サムダルが再び川から生まれた龍として復帰し、ヨンピルと愛を実らせ、心の中で行きたかったWMO(世界気象機関)があるスイスのジュネーブへ旅立つことで終わるのが、ドラマのすっきりとした順序かもしれない。
しかし、どのようなハッピーエンドを迎えるにせよ、『サムダルリへようこそ』はすでに私たちに慰めを与えてくれた。マクチャンドラマ(ドロドロしたドラマ)のスカッとする結末の代わりに、あなたの傷は大丈夫かと尋ねてくれる温もりを届けてくれた。これこそが、私たちが求めるヒーリングだ。残りの時間、何が解決するのかと焦る必要はない。ただ気楽に楽しめばいい。まだドラマを見ていない人がいるなら、ウェルカム!急いでサムダルリへ来てほしい。


筆者チョン・スジンは?
数々の雑誌を経て、映画や旅行、大衆文化について取材し執筆してきた。トレンドに遅れたくないと思いつつも、最新ドラマを見ながら次のシーンの뻔した(ありきたりな)クリシェばかりを予想する「昔の人」になってしまった。広大なOTTの世界を漂流しながら失われた感を取り戻そうと努力中。今の願いは、統合OTT料金プランができること。