[비즈한국] 天文学者は、遠方の銀河までの距離を測るために様々な手法を用いる。距離に関係なく我々が知っている天体物理学的特徴を通じて、その天体の実際の明るさを個別に導き出せるならば(そしてそれを信頼できるならば)、それを「標準光源」として使用して距離を求める。ただし、ここには重要かつ本質的な問題がある。距離を測る方法によって、適用可能な距離の範囲が異なるという点だ。
ごく普通の星が収縮と膨張を周期的に繰り返しながら一定の間隔で明るさが変化する「セファイド変光星」は、結局のところただの星である。それほど明るくはない。そのため、距離があまりに遠くなると、銀河内に存在するセファイド変光星を個別に識別して観測することはほぼ不可能になる。したがって、セファイド変光星はせいぜい数千万光年程度までの距離を測定するのに有効である。
それより遠方になると、より明るく、遠くからでも見える新しい標準光源が必要となる。例えば「Ia型超新星」がある。たかだか一つの星が爆発する現象だが、その閃光は極めて明るく、数千億個以上の星が集まる銀河全体にも匹敵するほど強く輝く。おかげでIa型超新星は数十億光年先の銀河まで適用できる。もちろん、適用範囲が遠くなるほど誤差の幅も大きくなるという問題がある。
通常、学校で天文学の「距離はしご」を学ぶときは、この程度に触れて終わることが多い。しかし、実際の天文学で使用される距離測定法は実に多様だ。どうにかして距離が不明な状態から天体の本来の明るさを割り出そうとした天文学者たちの苦労が、如実に表れているようだ。互いに複雑に絡み合った距離測定法の関係を見ると、単に一直線につながる距離はしごよりも、複雑に絡み合った「距離の網(Distance Web)」と呼ぶ方が適切な表現ではないかと思えてくる。
距離はしごは、20世紀末から現在に至るまで、我々が遠い宇宙のスケールを測る際に最も根幹となる天文学の基本哲学の一つだ。ところが最近、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が多様な銀河を前例のない鮮明な解像度で観測するようになり、このはしごに亀裂が入っている。まさにここから(前回のコラムで紹介した)21世紀版天文学大論争の火種が燃え上がっているのだ。
シカゴ大学の天文学者ウェンディ・フリードマンは、現在測定している銀河までの距離に問題がないのかを、より体系的かつ客観的に検証したいと考えた。まず、ジェイムズ・ウェッブで観測された10個の銀河を選んだ。これらの銀河には、セファイド変光星をはじめとする多様な標準光源が含まれている。すべてIa型超新星も内包している。そのため、分析結果をもとにIa型超新星を活用してより遠方の銀河までの距離を測る方法論の妥当性を検証できるのである。
今回の研究でフリードマンのチームが活用した標準光源は、セファイド変光星以外に大きく二つある。一つは「TRGB(赤色巨星分枝の先端)」を活用した方法だ。ある銀河に存在する星々をすべて個別に分解すれば、各星の明るさと温度を把握できる。これを一つのグラフに表現できる。星団内の星々の明るさと温度の分布を示す「色等級図」のように、銀河もそのように描くことができる。
銀河の色等級図にはいくつかの興味深い特徴があるが、その一つが「赤色巨星分枝(Red Giant Branch)」である。赤色巨星とは、星が進化しながら巨大に膨張し、温度がぬるく冷めた段階のことだ。星が膨張し続ける間、温度は少しずつ下がっていく。しかし、星自体が非常に巨大化するため、星の明るさはどんどん増していく。だが、赤色巨星であっても無限に明るくなれるわけではない。結局、過度に巨大化した星はその限界に耐えきれず、外層を吹き飛ばしてしまう。
興味深いことに、赤色巨星が最も安定して持ちこたえる限界は決まっていることが知られている。つまり、星団や銀河で見られる最も明るい赤色巨星の明るさは、おおよそ一定だと見なせるのだ。星団や銀河の星々で色等級図を描くと、右端で星々が縦方向に長く分布する赤色巨星分枝が見える。天文学者たちは、その分枝の最も上端、すなわち先端の最大輝度は一定であると推定する。赤色巨星分枝の最も上端にある、銀河で最も明るい赤色巨星自体が、一種の標準光源の役割を果たすことになる。このような手法をTRGB法と呼ぶ。
今回の研究で活用したもう一つの標準光源は、「J-AGB(J領域・漸近巨星分枝)」という星だ。これらの星は、重い星が長い歳月をかけて核融合を行うことで、非常に多くの炭素を蓄積している。星の化学組成を見ると、酸素よりも炭素の含有量の方が多い。そのため「炭素星」とも呼ばれる。化学的特徴により、炭素星は特に可視光線よりも波長が長い近赤外線領域で非常に明るく輝く。非常に明るいため、遠方の銀河にあってもその姿を捉えることはそれほど難しくない。
もちろん、炭素星の明るさが完全に一定というわけではないが、これまでに観測された炭素星の明るさ分布を見ると、特定の平均輝度を基準にしてかなりきれいな正規分布を描く。そのため、天文学者は若干の統計的誤差を考慮しつつ、炭素星を本来の明るさを類推できる補助的な標準光源として活用することもある。特に炭素星がジェイムズ・ウェッブの観測で有利な理由は、ジェイムズ・ウェッブこそが近赤外線を観測する望遠鏡だからである。
フリードマンは、セファイド変光星、TRGB、炭素星という3つの標準光源に応じて研究チームを3つに分けた。そして各チームに標準光源を1つずつ割り当て、10個の銀河の距離を新たに算出させた。興味深いことに、フリードマンは各チームが互いに情報を共有しないよう徹底的に管理した。公正な比較のため、最終結果を公開するまで互いの研究進捗を知ることができない一種のブラインドテストを行ったのだ。そうして各チームが計算を終えて一堂に会し、互いの結果を公開した。その結果は非常に興味深いものだった。

セファイド変光星のみを用いて宇宙の膨張率を求めた結果は72.5km/s/Mpcだった。古くから銀河の後退現象をもとに推定されてきた宇宙膨張率と似た結果である。一方、他の二つの標準光源で測った結果は大きく異なる。TRGBで求めた結果は69.85km/s/Mpc、炭素星(J-AGB)で求めた結果は67.96km/s/Mpcだった。3つの値を平均すると、およそ69.96±2km/s/Mpcとなる。
興味深いのは、セファイド変光星ではなく、TRGBと炭素星で求めた結果が、宇宙マイクロ波背景放射の観測から推定される宇宙膨張率である69km/s/Mpcとあまりに良く一致しているという事実だ!
そもそも「ハッブルテンション」というミステリーは、宇宙マイクロ波背景放射から求めた宇宙膨張率と、銀河までの距離および後退速度を比較して求めた宇宙膨張率に差があるために議論となった。ところが、フリードマンの研究が示すように、セファイド変光星以外の2つの標準光源であるTRGBと炭素星で求めた銀河の距離を活用すれば、ハッブルテンションはきれいに消えてしまう!銀河を活用して推定しようが、宇宙マイクロ波背景放射の観測から推定しようが、宇宙膨張率はどちらも69km/s/Mpc前後の値になる。値が跳ね上がるのは、セファイド変光星で銀河までの距離を類推した場合の、たった1つのケースだけなのだ。
簡単にまとめると、同じ銀河を相手にしても、どの標準光源で距離を求めるかによって銀河までの距離が少しずつ異なってくるという状況である。本当に困惑させられる話ではないか。一体なぜこのような問題が生じるのだろうか?
これについてフリードマンは、特にセファイド変光星を活用した距離測定法に、何らかの問題がある可能性を指摘した。変光星の周囲に星の光を遮る塵の雲が多く存在していれば、観測される星の明るさに大きな影響を与える可能性がある。また、セファイド変光星が密集しすぎていて、2〜3個の星が1つの星のように重なって観測される可能性もあるし、星が含む重元素含有量によって星の明るさや温度が変化する危険性もある。こうした詳細な星の物理を深く考慮せず、セファイド変光星そのものをあまりに便利な標準光源として受け入れてきたせいで、我々が類推した銀河までの距離に大きな誤差が発生している可能性があると説明した。
フリードマンの指摘は、かなり深刻に受け止める必要がある。宇宙のスケールをステップバイステップで測定できるようにする距離はしごにおいて、セファイド変光星は事実上、ほぼ最初のステップに相当する圧倒的な地位を占めているからだ。セファイド変光星を活用して距離を求める方法論そのものに看過できない問題があったとすれば、その上に積み上げられた他の距離測定法の目盛りも、再びより慎重に調整しなければならないという問題が生じる。
しかし、フリードマンの論文が発表されるやいなや、ジョンズ・ホプキンス大学の天文学者アダム・リースが即座に反論を提起した。彼はIa型超新星の観測を通じて宇宙の膨張が加速していることを発見し、ノーベル物理学賞を受賞した3名のうちの1人である。現在、彼はより多くの銀河と超新星を観測し、宇宙の膨張率をより精緻に求めることを目標とする、ダークエネルギーの状態方程式のための超新星およびハッブル定数観測プロジェクト「SHOES(Supernovae and HO for the Dark Energy Equation of State)」を率いている。
リースは、フリードマンがわずか10個しかない銀河を比較した結果を拡大解釈していると問題を提起した。例えば、彼の研究チームがハッブル宇宙望遠鏡で観測した42個の銀河までデータを集めて分析すれば、セファイド変光星で求めた結果も他の標準光源で求めた結果と大きく異ならない値が得られると主張した。

一方、フリードマンはアダム・リースの反論に対し再反論を行い、自分たちは統計的に公平に比較するために、ジェイムズ・ウェッブでも観測が完了した10個の銀河に限定して分析を行ったのだと説明した。しかしこれに対し、リースはさらに再々反論を行い、自身のSHOES研究チームが以前、セファイド変光星とTRGBで求めた銀河の距離が一致するという結果を確認したことがあるという根拠を提示した。
フリードマンとリースが繰り広げる論争は、今回の研究のきっかけとなったハッブルテンションという古典的な論争よりもさらに混乱を招くものだ。同じ望遠鏡で観測した同一のデータについて、両研究チームが全く異なる主張を展開しているからである。
もしフリードマンの主張が事実であれば、これまで天文学者を悩ませてきたハッブルテンションというミステリーは、予想に反してあまりにあっけなく解ける可能性がある。ダークマターやダークエネルギーの根幹を揺るがすような大掛かりな物理の変化は必要ない。そもそもセファイド変光星で測った銀河までの距離に多少の誤差があったために、宇宙マイクロ波背景放射から推定した宇宙膨張率と合わなかっただけのことだ。しかし、これはかえって困惑させる悩みを引き起こす。そうなれば、これまでセファイド変光星で測った銀河までの距離を再び調整しなければならないという問題が生じるからだ。
逆にリースの主張が事実であれば、結局ハッブルテンションは未解決のまま残ることになる。大きな変化もなく、もどかしい状況が続いていくわけだ。しかし幸いにも、セファイド変光星で求めた銀河までの距離には大きな問題はなかったと安心することができる。我々はこれからも、これまで通りセファイド変光星で宇宙のスケールを測り、距離はしごの足場を調整すればよい。
特定の二人の天文学者が前面に出て、激しく論文と回答を交わしている状況。果たして我々の宇宙は、二人のうちどちらが想像したものに近いのだろうか?20世紀よりも激しく繰り広げられている21世紀の新たな大論争は、果たしてどのような結末を迎えるのだろうか?
参考
https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2024arXiv240806153F/abstract
https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2024arXiv240803474L/abstract
https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2024arXiv240800065L/abstract
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/ad2e0a
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8213/ad1ddd
https://www.quantamagazine.org/the-webb-telescope-further-deepens-the-biggest-controversy-in-cosmology-20240813/
筆者チ・ウンベは?猫と宇宙を愛する。幼い頃、『銀河鉄道999』を見て宇宙の美しさを伝えたいという夢を抱いた。現在、延世大学銀河進化研究センターおよび近宇宙論研究室にて、銀河の相互作用を通じた進化を研究しており、講演や執筆など多様な科学コミュニケーション活動を行っている。『サムタヌン(駆け引きする)天文台』、『一日中宇宙を考える』、『星、光の科学』などの著書がある。