[비즈한국] 大変なことになった。このドラマを称賛するに値する適切な言葉や修飾語が思い浮かばない。最初にタイトルとハン・ソッキュ主演、MBC金土ドラマという事前情報を聞いたときは、さほど期待していなかった。膨大な資本を投じるOTTドラマでさえ苦戦を強いられる昨今、地上波で「キム・サブ」ことハン・ソッキュの組み合わせ? 少し安易で古臭い印象を受けたからだ。ところがどっこい、やはりMBCはドラマ王国であり、ハン・ソッキュはハン・ソッキュだった。ここに新たな発見まで加わり、『この親密な背信者(イ・チンジャ)』は一週間が早く過ぎるのを心待ちにさせる作品となった。

『イ・チンジャ』は、国内最高のプロファイラーであるチャン・テス(ハン・ソッキュ)が捜査中の殺人事件で娘チャン・ハビン(チェ・ウォンビン)の痕跡を発見し、娘の秘密と向き合いながら真実を追うスリラーだ。ハビンは家族でキャンプに行った幼少期、弟のハジュンと遊んでいる最中に弟が死亡し、自分だけが血まみれで発見された過去がある。チャン・テスはそれ以来、娘が息子を殺したのではないかという疑念を抱いているようだ。それがハビンが他人と違うことを当初から知っていたからなのか、それとも疑うことが基本の職業についているからなのかは分からない。いずれにせよ、娘ハビンの立場からすれば父親のテスが親密な存在に思えるはずがない。親が子を信じられないとは、それ以上の背信が他にあるだろうか。

そして、人通りのない山の中の古びた倉庫で2リットル近い血液が発見され、死体のない殺人事件が発生する。チャン・テスは、殺人事件の被害者である家出少女ソン・ミナ(ハン・スア)が最後に会った人物が娘だという証言を聞き、倉庫があったテファ山が娘が盗んだ携帯電話の最後の位置情報であることを知り、現場で発見された赤い繊維が娘のバッグについていたキーホルダーのものだと知る。さらには近隣で発見された別の白骨死体も娘と関わりのある人物だと判明する。こうなると、序盤の視聴者の立場はチャン・テスに同調せざるを得ない。娘を信じられないテスの振る舞いが気に入るわけではないが、次々と明らかになる状況証拠のすべてが、ハビンがこの事件と無関係ではないことを示しているからだ。

しかし、テスの疑いが合理的だと感じ始めた頃、私たちは不意を突かれる。テスと離婚し、最近自殺したとされていたテスの前妻でありハビンの母ユン・ジス(オ・ヨンス)が、全く意外な場所にいたことを示す第4話のエンディングは、チャン・ハビンとチャン・テスの双方にとって衝撃だった。テスの視点でハビンを見ていた視聴者にとってはなおさらだ。ここに殺害されたソン・ミナが属していた家出グループのリーダー、チェ・ヨンミン(キム・ジョンジン)と、グループが住む家の大家キム・ソンヒ(チェ・ユファ)、そしてハビンの1年生の時の担任だったパク・ジュンテ(ユ・ウィテ)が何らかの関係を持っており、3人とも白骨死体として発見されたハビンの友人イ・スヒョン(ソン・ジヒョン)と関わっていることが判明し、物語はさらに複雑かつ重層的になっていく。

疑い、疑われ、また別の人物が疑いの対象として浮上し、そのうち疑いをかける主体までもが疑わしくなる物語。『イ・チンジャ』は、チャン・テスのような登場人物はもちろん、視聴者までもが底なしの疑念のループに引きずり込む。その疑念のプロセスは、決して不自然でも退屈でもない。脚本の引き締まった力、韓国中が知るハン・ソッキュの圧倒的な存在感、そしてハン・ソッキュと息を合わせる娘ハビン役の新人チェ・ウォンビンの没入度の高さが素晴らしいからだ。それぞれ理性と感性を象徴するような犯罪行動分析チームのイ・オジン(ハン・イェリ)とク・デホン(ノ・ジェウォン)警査の対立と調和も興味深い。

そして何より、作り込まれた演出の力が光る。『イ・チンジャ』を称賛すべき要素は枚挙にいとまがないが、それらすべてを滑らかに包み込む力は、精巧で繊細な演出にある。明暗と影の適切な活用、対立や俯瞰など多様なアングルで人物の心理と状況の緊張感を最大化する手腕が凄まじい。娘への疑いと苦痛の間で苦しんでいたチャン・テスが、娘のアリバイが嘘だったと知った時のシーンは、『イ・チンジャ』ファンが名場面に挙げる一幕だ。『イ・チンジャ』の演出は『赤い袖先』をチョン・ジインPDと共に共同演出したソン・ヨンファPDが担当したが、同時期に放送中の人気作『ジョンニョン:スター誕生』の演出をチョン・ジインPDが手掛けている点も、視聴者としては興味深いポイントだ。

『イ・チンジャ』は全10話のうち、すでに第5話まで放送された(10月31日時点)。しかし、いまだ事件の明確な糸口は見えず、すべてが五里霧中だ。しかも、この脚本はMBCドラマ脚本公募展の受賞作。原作のないオリジナル脚本なので、視聴者は名探偵コナンに憑依したかのように必死に推理するしかない。もちろん、ソン・ミナとイ・スヒョンを殺した犯人が誰で、なぜ殺したのかも重要だが、それ以上に物事がここまで至った過程に対する問いと答えが重要なポイントのように思える。勢いよく始まって結末では尻すぼみになる作品をいくつも見てきたが、『イ・チンジャ』に限ってはそうならないだろうという期待が大きい。まだ『イ・チンジャ』を見ていないなら、今すぐ視聴を開始することを強くおすすめする。
筆者チョン・スジンは?
複数の雑誌を経て、映画や旅行、大衆文化について取材・執筆を行う。トレンドには乗り遅れたくないが、最新ドラマを見ながら次の展開をありきたりなクリシェとして予想してしまう「昔の人」になってしまった。広大なOTTの世界を漂流しながら失われた感性を取り戻そうと努力中で、今の願いは統合OTT定額プランが誕生すること。