[비즈한국] 尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は政権交代後、前政権の財政支出政策を批判し、政府ではなく民間主導の経済成長を推進すると明らかにした。また、過度な福祉が財政に与える問題を解決するため、普遍的福祉よりも選別的福祉に重きを置いた政策を展開する意向も示唆した。あわせて国防力を強化するという意志も強調した。

しかし、尹錫悦政権発足後の分野別予算配分の状況を見ると、こうした政策が正しく展開されているのか疑問が提起される。前任の保守政権であった李明博(イ・ミョンバク)政権は、その信条通り社会間接資本(SOC)投資の拡大や国防費の増額などを進め、朴槿恵(パク・クネ)政権も国防予算や公共秩序・安全予算に注力する姿勢を見せた。また、進歩政権であった文在寅(ムン・ジェイン)政権は、尹錫悦政権が指摘するように保健・福祉・労働に対する予算比重を高め、国防予算の比重を下げた。
一方、尹錫悦政権では任期初期の公言とは異なり、産業・中小企業・エネルギー予算の比重や研究開発(R&D)予算の比重、国防予算の比重がますます減少した。これに対し、保健・福祉・労働予算の比重は政権発足当初は抑えられるかに見えたが、今年はいつの間にか上昇した。政権発足当初とは異なる予算配分など、方針が二転三転する政策は、尹大統領が強調してきた「未来世代の荷の重さを軽くする」どころか、かえって増大させる可能性があるとの指摘が出ている。
尹大統領は当選者時代から、韓国経済の体質を民間主導成長に転換すると言及してきた。そのための規制緩和とともに中小企業への税制優遇と財政支援を約束し、先端産業の競争力強化に向けた投資計画も打ち出した。企業が成長できる道筋を作るという約束だった。また、福祉政策に関しては文在寅政権など野党の政策をターゲットに、「無差別なバラマキ現金給付はない」とし、「困難な階層から手厚い支援を行う」と明言した。保守政権らしく国防費も増やすと語っていた。
ところが、尹政権に入ってからの予算支出状況を見ると、こうした方向に沿って支出が行われているのか疑念が生じている。企画財政部によると、12分野別の予算支出において、産業・中小企業・エネルギーおよびR&Dの支出比重は尹政権発足以降、減少傾向にある。産業・中小企業・エネルギー支出は、文在寅政権の実質的な最終年だった2021年には全体予算支出の4.7%だったが、尹錫悦政権が発足した2022年に4.5%へ低下し、2023年には3.9%まで下落した。

産業・中小企業・エネルギー支出比重が3%台まで低下したのは、関連統計が出始めた2010年以降初めてのことだった。今年も微増の4.0%にとどまった。R&D支出比重もまた、尹錫悦政権が発足した2022年に3.8%を記録し、初めて3%台に落ち込んだ後、今年まで3年連続で3.8%に停滞している。
これに対し、保健・福祉・労働分野の支出比重は、文在寅政権よりもさらに拡大した。文在寅政権の最終年である2021年に保健・福祉・労働分野の支出比重は35.6%まで拡大したが、尹錫悦政権発足後は2022年に35.3%へ減り、2023年には34.9%まで下がった。しかし今年は、保健・福祉・労働分野の支出比重が36.7%へと急上昇し、過去最大レベルに達した。国防費の支出比重も減少した。文在寅政権は、政権を担当していた2017年に10.0%だった国防費支出比重を、2021年には9.4%まで低下させた。ところが、この国防費支出比重は尹錫悦政権が発足した2022年に8.9%へ落ち込み、2023年には8.8%まで下落した。今年は9.0%に上がったが、兵士の給与引き上げに投入された費用を考慮すれば、「国防強化」という言葉が空虚に響くレベルだ。
特に、こうした分野別支出比重の推移は、政権の理念通りに予算を使用した前任政権たちと違いを見せている。現代建設出身の李明博元大統領の在任中盤期だった2010年、SOC支出比重は8.5%に達した。国防費支出比重も2010年から2012年まで3年連続で10.1%だった。保守政権である朴槿恵政権でも、国防費支出比重は2015年(9.9%)を除き、任期中ずっと10.0%を維持した。対照的に文在寅政権では国防費支出比重を低下させた。その代わりに、2017年に32.0%だった保健・福祉・労働支出比重を2021年には35.6%まで増加させた。