[비즈한국] 先週、フィンランドのヘルシンキで欧州3大スタートアップイベントの一つである「Slush(スラッシュ)」が開催された。欧州最北端に位置するフィンランドの厳しい冬は、午後4時にはもう真っ暗だ。寒く、暗く、憂鬱な長い冬の日に何ができるだろうか? 何かに没頭するには最適だ。Linuxがヘルシンキ工科大学の学生から生まれたことや、フィンランドにゲームスタジオが約250社も存在するほどゲーム産業が発達していることも、すべてこの過酷で好条件な(?)環境のおかげだろう。
Slushは今年で16回目を迎えた。Slush 2024には1万3000人を超える参加者と3300人のVC(ベンチャーキャピタル)および投資家、5500人のスタートアップ創業者が集まった。特にAI、ヘルステック、持続可能性の分野が主要なトピックとして浮上した。
ドラマチックなことに、Slushが開幕した11月20日、ヘルシンキには初の大雪が降り、街中に雪が積もった。人々は土と雪が混ざってぬかるみ、汚れた通りで「Slush(雪解け水)」という名の通り、足元を気にしながらも一晩中イノベーションについて議論を交わした。

Slushに登場した注目の欧州スタートアップ
イベントでは、AIやヘルステック技術を活用した革新的なソリューションが多数紹介された。オーストリアを拠点とするArterioscopeは、心血管疾患の早期診断技術を披露した。同社はオーストリアのグラーツ大学からスピンオフしたスタートアップで、近年の「AIベースの診断」というトレンドに非常にマッチしたソリューションとして注目を集めた。特に「Slush 100」コンテストでトップ20に入り、本イベントの準決勝ステージに登壇して世界中の投資家の前でプレゼンテーションを行った。

ドイツのバイオテック企業Senara GmbHは、持続可能な乳製品生産技術を発表した。動物に配慮してミルクを生産するために、細胞ベースの抽出技術を用いて乳製品を作るのが特徴だ。この技術は、従来の農業方式に比べて環境への影響を大幅に抑えつつ、経済性も確保できる。SenaraもSlush 100の準決勝のステージに上がり、「乳製品の持続可能な未来」のためのソリューションを紹介した。同社はEUのイノベーション基金の支援を受けている。

イタリアと米国で活動するテクノロジー企業SLYは、太陽光センサーを活用した山火事およびガス漏れ検知技術を紹介した。同社は独自開発のセンサーとアルゴリズムを通じて、98%以上の精度で山火事やガス漏れなどの異常事態を検知する。

その他、Slush 100のステージで熱い反応を得たスタートアップは数多い。ロンドンを拠点とするContentRadarは、AIを活用したコンテンツ管理プラットフォームを披露し、マーケティングプロセスを自動化するソリューションを紹介した。ブリュッセルに本社を置くMiners AIは、AIによって地質データを効果的に分析し、鉱物システムを予測してデータに基づいて鉱物を探査するソリューションを展示した。鉱物探査産業において、特に環境的に責任のあるデータを活用できるよう支援するのが特徴だ。
Slush 100で優勝したヘルステック『OASYS NOW』
Slush 100ピッチコンテストは、Slushの主要イベントの一つだ。スタートアップ各社は100万ユーロ(約1億6,000万円)の投資金をかけて競い合う。今回の大会スポンサーは、米国のVC「General Catalyst」とベルリンを拠点とする「Cherry Ventures」である。
General Catalystは世界中で700社以上に投資しており、Airbnb、Stripe、Snap、Deliverooといった著名なスタートアップを輩出した。米国VCだが、欧州、インド、イスラエル、ラテンアメリカなど多様な地域で活動しており、ケンブリッジ、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドン、ベルリンなどの主要都市にオフィスを構えている。最近ではドイツのベンチャーキャピタル企業La Famigliaを買収し、欧州市場での存在感を強めている。
Cherry Venturesは、Zalando、Spotify、Uber出身の創業者たちが設立したVCだ。ベルリン、ロンドン、ストックホルムに拠点を置き、現在100社以上のポートフォリオ企業と協力している。自らの創業経験を活かし、ポートフォリオ企業に対してメンタリング、ネットワーク提供、コーチングなどを行うのが特徴だ。
2024年のSlush 100の優勝は、オランダのヘルステックスタートアップOASYS NOWが勝ち取った。同社はAIベースの臨床試験患者募集プラットフォームを開発し、病院や医療スタッフが迅速に患者とマッチングできるよう支援している。主要製品は「GRIP」アプリと「ELaiGIBLE」プラットフォームだ。GRIPアプリは、ユーザーが自身の健康データを直接管理し、関連する臨床試験情報を検索できるよう設計されている。ELaiGIBLEプラットフォームは、医療スタッフが臨床試験のデータベースと患者データを簡単にマッチングできるようサポートし、従来は数か月かかっていたプロセスを数分に短縮した。
健康データを扱うため、OASYS NOWはデータセキュリティに特に配慮している。欧州個人情報保護法であるGDPRを遵守し、データの透明性を優先するのが特徴だ。ユーザーがデータの活用方法を選択できるようにするなど、データ所有者が主体的かつ能動的に自分のデータを活用できるようにしている。

カナダを拠点とするMohanaは、女性ホルモンの健康のためのパーソナライズ栄養ソリューションを披露して2位となった。3位はアクセシビリティ管理ソフトウェアを開発したアイルランドのDev Allyだった。2019年からデジタル製品・サービスへの障害者のアクセスを容易にするための「欧州アクセシビリティ法」が制定されたことを受け、企業がこの法案を遵守できるよう支援することが重要となっている。
「Slush」が「Slush」した日
Slush初日、ヘルシンキに降った大雪はすぐに雨となり、灰色がかった風景を作り出した。しかし、Slushという名前のためか、これからぐちゃぐちゃで汚れる景色に対しても人々の雰囲気は高揚していた。ロマンチックな冬ではなく、長く暗いトンネルのような冬をどう乗り切るか悩んでいた学生たちが2008年にSlushを作ったというエピソードが、何度も語られていた。
フィンランドのスタートアップエコシステムの中心である「Aaltoes(Aalto Entrepreneurship Society)」がSlushの火付け役となった。Aaltoesはフィンランドのヘルシンキにあるアールト大学(Aalto University)の学生が主導する非営利団体で、2008年に設立された。多様なプロジェクトやプログラムを通じて起業文化を活性化させることが組織の目的だ。Aaltoesは「Summer of Startups」プログラムや「Startup Sauna」というコワーキングスペースを運営し、創業エコシステムを豊かにしている。この学生組織が立ち上げたスタートアップイベントこそがSlushだ。
Slushは今やフィンランドの学生だけでなく、グローバルな投資家やスタートアップなど、世界中の多様な人々が集まり、創業エコシステムについて論じる重要なイベントとなった。特に欧州を超えて韓国、インド、米国、カナダ、オーストラリアなど、様々な大陸の多様なエコシステムが交流する出会いの場となっている。寒くて暗いだけの冬に何をするか。部屋の隅で寝ていないで起業でもしよう、というのが彼らの始まりだった。白い雪がすぐに泥水になったとしても、それは問題ではない。自分の問題を解決する道を進む、というのがSlushの精神だった。特別でも何でもない11月に、あえてSlushを訪れる理由はそこにある。
筆者 Lee Eun-seoは韓国で法学を専攻し、ベルリンで演劇を学んだ。芸術の街であり、欧州スタートアップのハブであるベルリンを拠点に都市と共に成長し、韓国とドイツのスタートアップエコシステムをつなぐ「123factory」を率いている。