[비즈한국] JTBCドラマ『オク氏夫人伝』は、主人公クドク、のちにオク・テヨン(イム・ジヨン)となる女性の熾烈な生存記を描く。展開の早さや、既存の時代劇によくある政治劇や宮廷の権力闘争とは一線を画す物語が、序盤から注目を集めている。特に目を引くのは、朝鮮時代の身分制度で最下層にあたる奴婢を主人公に据えた点だ。逃げた奴婢を追う推奴師(チュノクン)を扱った『チュノ〜推奴〜』や、両班の令嬢から一転して奴婢になる『イニョプの道』のようなドラマはあったが、時代劇の主人公は王族や士大夫の両班が中心であることを考えると、『オク氏夫人伝』の主人公の設定は実に異例だ。

「花駕籠に乗せられた奴婢の運命」という紹介文句の通り、『オク氏夫人伝』は、ドブネズミのように生きていた卑しい奴婢の娘クドクが、両班の正室であり外知部(朝鮮時代の弁護士)であるオク・テヨンになる過程を序盤でスピーディーに見せた。どれほど展開が早いかといえば、第1話で主人から逃げ出した奴婢クドク(イム・ジヨン)が、清から戻った両班家の令嬢オク・テヨン(ソン・ナウン)と親しくなって養女に入り、不慮の事故に遭ってテヨンと誤認されたまま目を覚ます。そして第2話では、すぐに自分が本物のテヨンではないと打ち明け、テヨンの祖母であるハン氏夫人(キム・ミスク)に認められて、テヨンの名で生きることになるという順序だ。クドクが屋敷から逃げ出すきっかけの一つである両班の若様ソン・ソイン(チュ・ヨンウ)が、実は妓生(キーセン)の母から生まれた庶子であるという秘密を知り、身分の低い伝奇手(朝鮮時代の職業読み聞かせ師)チョン・スンフィになるのも、わずか第1、2話での出来事だ。

また、オク・テヨンがチョン・スンフィと瓜二つの顔を持つ清秀県の県監ソン・ギュジン(ソン・ドンイル)の長男ソン・ユンギョム(チュ・ヨンウ、1人2役)と互いの破格的な秘密を打ち明けて婚礼を挙げるのが第3話であり、第4話ではソン・ユンギョムが性的マイノリティの子供たちを世話する中で逆徒の群れと疑われ、家を出ることになる。第4話のエンディングで、逆徒を取り逃がした罪でソン・ギュジンが官職を剥奪され、財産と家族を没収されて衝撃のあまりこの世を去り、ソン家が没落の道を歩むものの、その後すぐにオク・テヨンの活躍で濡れ衣を晴らして家を立て直し、義弟のソンドギョム(キム・ジェギョム)が状元及第(首席合格)して家を完全に再興させるのが第6話での出来事だ。他のドラマならドラマ全編、あるいは少なくとも複数のエピソードをかけて起こるような出来事が、『オク氏夫人伝』ではわずか1、2話で次々と起こり解決される。退屈する隙もなく事件事故が押し寄せるため、没入感が高くならざるを得ない。

もちろん、テンポが良いという点だけでこのドラマが注目を集めているわけではない。クドクが外知部オク・テヨンとして活躍する姿は、現代の時代精神と奇妙に合致し、共感を得ている。奴婢クドクから両班の正室オク・テヨンとなり、名前も身分も夫もすべてが偽りという人生を生きるテヨンは、その偽りの安楽な生活に安住するのではなく、自分と同じ境遇だった奴婢たち、悔しい事情を抱えた平民たちの側に立つ。テヨンの友人のような身の回りの世話をする奴婢ペギ(ユン・ソア)が不当な死を遂げると命がけで真相を明らかにしようとし、ペギの母マクシム(キム・ジェファ)が両班を侮辱したという理由で杖叩き10回の刑を受けることになると、自分の代わりに受けると名乗り出る。これはテヨンがもともと自分がクドクだった時のことを痛いほど覚えているからでもあるが、明確に弱者との連帯を示すシーンでもある。

オク・テヨンが弱者と連帯を続ける姿は、その後も一貫して見られる。幼い子供を拉致して不法に金鉱を採掘していた両班の手から子供たちを救出し、性的マイノリティであるという秘密を抱えていた夫が、同じく性的マイノリティの子供たちを保護していたことを知り、彼らのために弁論する。男性主人公の一人が性的マイノリティであるというクィアの物語は突然すぎるのではないかと、一部からは否定的な反応もあったが、『オク氏夫人伝』では、最近のドラマでお試し程度に挟み込まれることの多かったクィアの物語を正面から扱い、彼らが厳然たる社会の一員であるにもかかわらず保護されない弱者であることを明確に示しているという点で意味がある。接点がないと思われた集団と連帯する姿があちこちで見られるこの時代に、『オク氏夫人伝』は多くの意味で示唆するところが大きい。

外知部として働くオク・テヨンが「人であれば誰でも、身分や境遇にかかわらず法の下で平等に審判を受けなければならない」と発言する姿も、法の下で誰もが平等でなければならないという、きわめてシンプルで簡潔な真理を改めて想起させる。とりわけ2024年12月の、憲政史上初となる非常戒厳事態とそれに続く弾劾訴追案、そして出頭要求を拒否し続けた結果、憲政史上初めて現職大統領に対する逮捕状が発付されるという一連の状況において、果たして法の下で万人は平等なのかを深く考えさせられる。

全16話の『オク氏夫人伝』は、現在第8話まで放送され、折り返し地点を過ぎた。第8話のエンディングでは、オク・テヨンへの復讐を夢見るソン氏夫人(チョン・イクリョン)の陰謀により、テヨンが未亡人の立場となって身動きが取れなくなる危機に陥り、さらに没入感を高めている。『オク氏夫人伝』が、1542年のフランスで起きた夫が入れ替わった実際の詐欺事件「マルタン・ゲールの帰還」と、1607年の朝鮮宣祖の時代に実際に起きた偽の夫事件をもとに、白沙・李恒福(イ・ハンボク)が書いた小説『留淵伝』を再解釈したものであるだけに、後半部には奴婢クドクと両班オク・テヨンのどちらのアイデンティティを選択するのか、そして瓜二つの顔を持つソン・ソイン/チョン・スンフィとソン・ユンギョムの間でどのような選択をするのかが注目のポイントだ。

『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』のパク・ヨンジン役で第2の全盛期を迎えたイム・ジヨンが単独主演を務め、第1話の視聴率4.2%から第8話では9.5%へと大幅に上昇し人気を集めているが、偶然にも1月6日からは『ザ・グローリー』の「スチュワーデス・ヘジョン」ことチャ・ジュヨンが主演を務めるドラマ『元敬』が始まり、『ザ・グローリー』のムン・ドンウンだったソン・ヘギョも1月末に映画『黒い修道女たち』で登場する予定だ。イム・ジヨンが先行する中で、『ザ・グローリー』出身の俳優たちのうち、誰がより大衆の心を盗むのか、非常に興味深い局面だ。
筆者チョン・スジンは?
複数の雑誌を経て映画や旅行、大衆文化について取材し執筆してきた。トレンドに遅れたくないが、最新ドラマを見ていても次の展開としてありきたりなクリシェばかり予想してしまう、古臭い人間になってしまった。広大なOTTの世界を漂流しながら失った感覚を取り戻そうと努力中。今の願いは、統合OTT料金プランが出ること。