[비즈한국] ブラックホールは宇宙を愛するすべての人を虜にする魅力的な存在だ。しかし個人的には、その知名度に比べて「ブラックホール」という名前は非常に不適切な名付け方ではないかという残念な思いもある。ブラックホールを直訳すれば「黒い穴」という意味になる。だが実際、ブラックホールは「黒く」ない。そもそもブラックホールには色がない。光自体を放出しないからだ。重力が強すぎて光の速さですら脱出できないという意味から、時空にぽっかりと空いた深く暗い闇を表現するために、つい「黒い(ブラック)」という言葉が付いてしまったのだろう。むしろ闇、光の不在を意味する「ダーク」といった言葉を使うほうが適切だったのではないだろうか。
困ったことに、これだけではない。ブラックホールが圧倒的な重力のために輝かないのは確かだが、強いて言えば完全に光を出さないわけでもない。厳密に言えばブラックホール自体は暗いが、ブラックホールの重力に捉えられた周辺の物質は、高温で加熱されることで光を放つ。さらにブラックホール周辺の強力な磁場によって加速された粒子たちも、神秘的な光を放出する。あまりに強烈なため、可視光線を遥かに超えるX線やガンマ線レベルの、非常に強い高エネルギー光を放つのだ。光を出せないという意味でブラックホールと名付けられたが、実は宇宙で最も強烈な光を放つ存在といえる。ブラックホールはその名前からして、非常に矛盾に満ちた神秘的な存在だと感じる。
最近、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、我々の銀河系中心にある超大質量ブラックホール「いて座A*(エースター)」から発せられた非常に興味深い光を捉えた。ブラックホールが高エネルギー光を放つだけでなく、その光が明滅までしていたのだ! 天文学者たちはこの現象を「ブラックホールの瞬き(Blackhole’s flickering)」と呼んでいる。
まず、宇宙で最も深い闇の周辺で、宇宙で最も強烈な高エネルギー光がどのように共存できるのかを理解しなければならない。主なメカニズムは、ブラックホールを取り巻く「降着円盤」で発生する。ブラックホールの近くに美味しそうな獲物、例えばガス雲や星があれば、強力な重力によって次第にブラックホールへと吸い込まれていく。ブラックホールに近づくほど速度も上がる。ブラックホールの事象の地平面の内側に入っていない状態であれば、十分に速い速度で回っている物質は、ブラックホールの重力に耐えて軌道を維持できる。このとき、高速で旋回する物質同士が衝突し、摩擦が発生して高温になる。太陽のような一般的な星の表面温度を遥かに超えるほど熱く加熱されるのだ。そのため、降着円盤からはX線が観測される。かつて我々の銀河系中心の「いて座」方向で、周辺物質を貪り食う恐ろしい何かも、X線観測を通じて発見することができた。
降着円盤が明確なX線を放出すると同時に高速で自転しているため、我々は比較的容易にブラックホールの存在や質量まで知ることができる。円盤が回転する際、一部は我々の視線方向に近づき、残りは遠ざかる方向に移動するため、観測される光の波長が変わる「ドップラー効果」が起こるからだ。これを活用すれば、ブラックホールの重力に捉えられた降着円盤がどれほどの速さで回転しているか、そしてその円盤を保持している中心のブラックホールの質量がどれほど重いのかを把握できる。
しかし、ブラックホールから放出される光は、降着円盤から出るX線がすべてではない。周辺に獲物が多い銀河中心の超大質量ブラックホールの場合、ブラックホールから少し離れると非常に多彩で複雑な構造に出会うことができる。降着円盤の外側には、塵の雲がより高い密度でドーナツ状に取り囲んでいる。ブラックホールと降着円盤を取り囲む塵のドーナツは、X線の一部を吸収して生暖かく熱せられる。その後、塵のドーナツはそのエネルギーが少し減衰した赤外線領域で、光を再放出する。こうして観測されるブラックホールの全スペクトルは、より豊かになる。

塵のドーナツでX線がどれほど遮られるか、また代わりに生暖かく熱せられた塵のドーナツの光がどれほど観測されるかを決める要因はかなり単純だ。我々が地球から見たとき、ブラックホール周辺の円盤やドーナツがどれほど傾いて見えるか、つまり「傾斜」である。もし塵のドーナツをほぼ真横から眺める形になれば、中心の降着円盤とX線はかなり遮られて見える。逆に円盤をほぼ真上から見下ろす形であれば、遮られることのない強力なX線をそのまま見ることができる。
スペクトルの形態が異なる銀河中心ブラックホールを、メカニズムが全く異なる別のブラックホールと推定し分類していた時代もあった。しかし現在は、それが単に見る角度の問題であるという事実を知り、一つの統一された図として多様な銀河中心ブラックホールを捉えている。
最後に、ブラックホールから放出されるもう一つの興味深い光がある。高速で自転するブラックホールは、その自転軸に沿って非常に強力な磁場を形成する。そしてブラックホール周辺の降着円盤の高温により電離した粒子たちが、磁場に沿って螺旋を描き、光速に近い速さで加速される。粒子が加速されると光を放出する。こうして放出された光は、X線から赤外線に至るまで広い波長範囲にわたって観測されるのだが、この現象を「シンクロトロン放射」と呼ぶ。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、基本的に赤外線で宇宙を見る。ブラックホールから放出される様々な光の中で、赤外線のみを捉える。天文学者たちは2023年から2024年にかけて、我々の銀河系中心「いて座A*」ブラックホールから漏れ出る光の明るさを、2.1μmと4.8μmという2つの赤外線波長で観測した。観測した合計時間は約48時間になる。ブラックホールの揺らぐ輝度の変化を公平に比較するため、同じ視野に見える2つの星を基準星とした。観測期間中、明るさがほぼ一定であるこの2つの星を基準に、観測された瞬間ごとのブラックホール周辺の光の強度を標準化できる。

上のグラフでは、興味深い結果が見て取れる。青い線はより高いエネルギーに相当する波長2.1μmの光で観測した変化であり、赤い線は低いエネルギーに相当する波長4.8μmの光で観測した変化だ。黒い線は、同時に観測した基準星たちの一定の輝度変化パターンである。基準星たちの輝度パターンと比較すれば、この揺らぐ輝度の変化が間違いなく、いて座A*ブラックホールの周辺で起きている実際の変化であるという事実が分かる。全体的な小さな揺らぎのパターンとともに、明るさが突然大きく増加してから減少する「フレア」のような現象も確認できる。
天文学者たちは、ここからさらに一歩踏み込んだ。青い線と赤い線を比較すると、すべてのデータにおいて興味深いパターンが見られる。常に青い線が先に頂点に達し、その後にわずかな時間差をおいて赤い線が頂点に達するのだ。つまり、エネルギーが高く波長が短い光が先に瞬き、続いて約30~40秒の間隔を置いて、波長が長い光が瞬くのである。
天文学者たちは、2つの赤外線波長で共に確認された大小の輝度の揺らぎを、大きく2つの方式で説明する。一つは、降着円盤自体で起きる揺らぎだ。ブラックホールに飲み込まれた獲物が広がっている降着円盤の密度は、常に均一ではない。ある部分は密度が高く、温度が高いかもしれない。このように密度が不規則に変化する降着円盤が高速回転しながら光を放出するため、比較的小さなレベルで光の強度が刻々と変化する揺らぎを起こすことがある。
また、ブラックホール周辺で強く形成された磁場は、より激しいフレアの原因になり得る。これは太陽でフレアが発生するときと似ている。ブラックホール周辺に形成された磁場の束が互いに再結合し、繋がっていく過程で、瞬時に莫大な量の粒子が外へと噴き出す可能性がある。この過程は非常に強力な爆発現象であるため、波長による明るさの差が大きくない。2.1μmと4.8μmの両方の波長で、同様に非常に明るい閃光として目撃される。天文学者たちは、特に急激なフレアが捉えられた瞬間、2つの波長で観測された最も明るい瞬間の輝度がほぼ変わらないという点も、この仮説によく合致すると推測した。
このように、ブラックホールも実は非常に激しく揺らめく存在なのだ。一見すると、ブラックホールは常に闇の中で静まり返り、黙々と佇む退屈な存在のように感じるかもしれないが、実際はその逆だ。ブラックホールは宇宙で最も混沌としており、太陽フレアのように眩しい閃光さえも吐き出す存在である。刻々と揺れ動くブラックホールの姿をより正確に把握するには、より長い時間、ブラックホールから目を離さずにモニタリングする必要がある。そこで今回の研究を率いた天文学者たちは大胆にも、もう一度ジェイムズ・ウェッブの観測時間を申請した。24時間、丸一日中ジェイムズ・ウェッブの目が休むことなく、ひたすらいて座A*ブラックホールだけを見つめ続ける観測だ。この観測が無事に終われば、グラフの途切れた隙間なく、一日中ブラックホール周辺で何が起きているのかを把握できるだろう。
我々の銀河系中心ブラックホールの一挙手一投足を盗み見る、宇宙で最も重厚な「観察バラエティ」が実現する日もそう遠くはない。
参考
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8213/ada88b
https://www.stsci.edu/jwst/phase2-public/3559.pdf
筆者チ・ウンベは? 猫と宇宙を愛する。子供の頃に『銀河鉄道999』を見て、宇宙の美しさを伝えるという夢を抱いた。現在、延世大学銀河進化研究センターおよび近宇宙論研究室で銀河の相互作用を通じた進化を研究しており、講演や執筆など多様な科学コミュニケーション活動を行っている。『サムに乗る天体望遠鏡』、『一日中宇宙を考える』、『星、光の科学』などの著書がある。