[비즈한국] 「ミルコメダ銀河」をご存知だろうか。我々の銀河系(ミルキーウェイ)と隣の「アンドロメダ銀河」、この2つの名前を合わせた造語だ。長年、天文学者たちは遠い未来に我々の銀河とアンドロメダ銀河が合体すると考えてきた。現在、両銀河は250万光年の距離を隔て、それぞれの美しい渦状腕と星、ガスからなる円盤を抱えているが、衝突によって星の軌道が乱れ、最終的には平たく丸まった巨大な楕円銀河になると予想されていた。この衝突プロセスは50億年から70億年後に完了すると予測され、こうして生まれる未来の巨大銀河は「ミルコメダ銀河」と呼ばれた。
長らく、ミルコメダ銀河の結末は宇宙の定まった運命のように考えられてきた。50億年後に太陽が赤色巨星に膨張し、最終的に惑星状星雲になるという運命に向かっているのと同様だ。しかし最近、この運命に疑問を抱く天文学者が増えている。最近『Nature Astronomy』に掲載された論文は、我々の銀河とアンドロメダ銀河が全く異なる運命をたどる可能性を示唆した。より正確には、両銀河が衝突するかどうかは全く予測不可能だというのだ。ミルコメダ銀河は、結局のところ宇宙の運命を誤解した人類の想像上の産物だったのだろうか。我々の銀河は、今のような美しい渦状腕を保ったまま、アンドロメダとの危うい衝突を回避できるのだろうか?
アンドロメダ銀河が我々の銀河と衝突するという予測は、2012年以降本格化した。天文学者たちはアンドロメダ銀河内の星々が地球の夜空でどれほど速く位置を変えるかを比較したが、興味深いことにアンドロメダ銀河は地球の空でほとんど動きを見せなかった。1年間で1ミリ秒以内の変化すら見られなかったのだ。これはアンドロメダ銀河が地球から見た際、視線方向に対して垂直方向の速度がほとんどないことを意味していた。
一方、アンドロメダは非常に顕著なドップラー効果を示す。その中でも、波長がより短い青い側にずれる「青方偏移」が鮮明だ。ドップラー効果において青方偏移は、光源が我々に向かって高速で近づく際に、波長が短くずれて見える現象を指す。つまり、アンドロメダ銀河全体が猛スピードで我々に向かって接近していることを意味した。観測された青方偏移によると、アンドロメダ銀河は秒速約110kmという凄まじい速度で突進しているように見える。
アンドロメダ銀河は接線方向の速度がほとんどなく、ひたすら視線方向に沿って急接近している。つまり、我々に向かって正面から突っ込んできているということだ。距離と速度を考慮し、当時の天文学者たちは50億年後には正面衝突すると予測した。この激しい衝突と合体の過程は、既存のシミュレーションでもよく表現されてきた。この衝突の可能性は過去10年以上にわたり当然の仮説とされ、遠い未来に必ず起こる宇宙の宿命のようにみなされてきた。

現在、我々の銀河とアンドロメダ銀河は、局部銀河群において最も重い第1、第2の銀河の地位を占めている。天文学者たちは約50億年後にこの2つが衝突し、その後、周辺を漂っていた小さな衛星銀河や他の隣接銀河も次々とミルコメダ銀河に流入・合体すると考えていた。そうして約1500億年が過ぎれば、現在の局部銀河群を構成するすべての銀河が、一つの巨大で平たい超巨大楕円銀河に統合されると予測されていた。
しかし最近、我々の銀河とアンドロメダ銀河の運命について全く異なる予測を出す天文学者が増えている。こうした分析に共通する批判の核心は、既存の予測があまりにも状況を単純化しすぎているという点だ。我々の銀河には、小マゼラン銀河や大マゼラン銀河のように無視できない規模の矮小銀河がまとわりついている。これら2つの銀河が長年、我々の銀河の重力に捕らわれて軌道を回る過程で残した、星やガスからなる長い流れも観測できる。同様に、射手座矮小銀河もその軌跡に爪痕を残している。
アンドロメダ銀河のそばにも、さんかく座銀河(M33)をはじめとする多様な矮小銀河が存在する。矮小銀河は巨大な銀河に比べて質量が100分の1以下と非常に軽い。そのため一見すると重力的な影響は無視できそうだが、そうではない。質量が軽い分、中心銀河のすぐ近くに位置しているため、距離が近い分だけ中心銀河に及ぼす重力効果は十分に強い。特に数十億年という長い歳月を予測する場合、こうした効果が最終的な運命に大きな影響を及ぼしうる。

今回の分析で天文学者たちは、ハッブル宇宙望遠鏡とガイア宇宙望遠鏡が観測した周辺矮小銀河の精密な移動データを反映させた。これを基に、我々の銀河とアンドロメダ銀河、そしてマゼラン銀河やM33銀河といった主要な矮小銀河の効果を全て考慮し、今後100億年間の局部銀河群の運命をシミュレーションした。より現実的なシミュレーションのため、銀河の質量、軌道速度、方向など計22の変数を考慮した。おかげで、これまでに我々の銀河と局部銀河群を対象に行われた中で、最も精密なシミュレーションとなった。
では、シミュレーションの結果はミルコメダ銀河の誕生を指し示しただろうか?全く違った。考慮すべき変数が多いため、その分だけ結果の不確実性も高まった。今回の論文は、多様な変数をランダムに設定するモンテカルロ・シミュレーションを通じて、合計10万回ものシミュレーション結果を得た。両銀河の距離が50万光年以内に接近した場合を「直接衝突」と判断した。その結果、50億年以内にミルコメダ銀河へと混ざり合うという従来の運命をたどるケースはわずか2%に過ぎなかった!残り98%は、両銀河が直接衝突を回避してかすめ通るか、あるいは遠く離れて通り過ぎるため、特別な相互作用は生じなかった。両銀河が巨大な一つの銀河に合体したとしても、それは50億年をはるかに超えた遠い未来の話であった。
50億年以内にミルコメダ銀河が作られないという98%の結果のうち、50%は、そもそも両銀河が遠くですれ違うだけで、銀河円盤の形態も崩れず今の姿を維持できることを示した。残りの48%では、直近50億年以内には激しい直接衝突には至らないものの、200億年から300億年以内にはゆっくりと距離が縮まり、軌道が収縮して一つの銀河に合体する可能性が示唆された。ただしこれには、両銀河のダークマターハローが重なり合うことで軌道エネルギーが減少し、次第に軌道が小さくなる「力学的摩擦」が作用する必要がある。
結論として、今回の新しい分析は、既存の予測とは異なり「ミルコメダ銀河」という運命が決して当然のものではないことを示している。いや、最初から我々の宇宙では起こり得ない、現実離れした予測だったのかもしれない。ミルコメダへの合体というシナリオは、宇宙をまだ完全には理解できていなかった10年前に、人類が想像の中で描いた虚構の未来に過ぎず、実際の宇宙は全く別の運命に向かっている可能性がある。
今回の論文タイトルが示唆するように、宇宙の運命は不確実性に満ちている。宇宙の運命を見通すには、目に見える明るく巨大な存在だけに注目してはならない。より小さく暗い、目立たない存在まで公平に気を配る必要がある。我々の銀河とアンドロメダ銀河の間の何もない空間を漂う、小さくかすかな矮小銀河にまで配慮すべきであるように。宇宙は常に、どれほど繊細に扱われるべき存在であるかを我々に示しているのだ。
参考
https://science.nasa.gov/missions/hubble/apocalypse-when-hubble-casts-doubt-on-certainty-of-galactic-collision/
https://www.nature.com/articles/s41550-025-02563-1
筆者のチ・ウンベは?猫と宇宙を愛する。子供の頃、『銀河鉄道999』を見て宇宙の美しさを伝える夢を持った。現在、延世大学銀河進化研究センターおよび近宇宙論研究室で銀河の相互作用による進化を研究しており、講演や執筆など多様な科学コミュニケーション活動を行っている。『サム・タヌン天文台(駆け引きする天文台)』、『一日中宇宙を考える』、『星、光の科学』などの著書がある。