[비즈한국] 不動産市場には「価格」よりも恐ろしい言葉がある。「不確実性」だ。価格は上がったり下がったりするものだが、制度が予告なしに変更されると市場は停止する。今、市場が直面している日付は2026年5月9日だ。調整対象地域内での多住宅所有者に対する譲渡所得税の重課適用を一時的に免除してきた措置が、法令上、その日までと定められているからだ。立法予告・公布された所得税法施行令の改正内容は、重課免除の期限を「2025年5月9日」から「2026年5月9日」へと延長するものでまとめられている。つまり、別途の措置がなければ、5月10日の譲渡分から制度が「元に戻る」ことを意味する。

ただし、ここで一度冷静になる必要がある。政策は「確定」と「展望」の間で揺れ動く。実際、政府は過去にも経済政策の方向性(または類似の年間計画)をめぐる報道に対し、「内容が決定した事実はない」という趣旨で線引きをしたことがある。
つまり、今日の市場は「5月9日が制度上のデッドラインである」という事実と、「延長の可否は政治・政策過程で変わりうる」という可能性を同時に抱えている。この二重の不確実性こそ、取引を凍りつかせる最も確実な処方箋だ。
問題の核心は「税率が高い」ということではない。より本質的な問いはこれだ。「譲渡税重課」が現在の市場環境において、どのような方向に作用するのか。言い換えれば、5月9日は「売り物件を引き出す日」となるのか、それとも「売り物件を締め出す日」となるのか。
5月9日の意味:税金を上げれば売り物件は増えるか
多住宅所有者への譲渡税重課は、調整対象地域内に住宅を2軒以上所有している人が住宅を譲渡する際、基本税率(6~45%)に加算税率を上乗せする制度だ。重課が再開されれば、2住宅所有者は20%ポイント、3住宅所有者は30%ポイントが加算され、地方所得税まで含めれば実効最高税率が82.5%に達する可能性があるという点が、市場に強い衝撃を与えている。
また、調整対象地域内の多住宅所有者の譲渡には、長期保有特別控除の適用が除外される構造についても議論されている。
この制度の政策目標は、概ね二つに説明される。第一に、多住宅所有者の「売却誘因」を高めて売り物件を増やし、価格を安定させるという目標。第二に、投資需要に対する懲罰的課税によって「期待収益」を下げ、需要を抑制するという目標だ。しかし、この二つの目標は現場でしばしば衝突する。売却を誘導するには取引コストが低くなければならない。逆に取引コストを上げれば、「売る理由」が消滅する。つまり、取引税を引き上げて売却を誘導するという発想そのものが、構造的に矛盾している可能性がある。
特に今回は「市場の体質」が過去と異なる。すでに多数の地域が規制地域として縛られ、マンション取引には土地取引許可などの強い制約が重なっている。
融資条件も硬直している。一部の報道では、LTV(住宅担保貸出比率)40%、DTI(総負債償還比率)40%などで資金調達が難しくなったと伝えている。
「買いたくても買えない」市場において、「売れ」という信号は、取引を増やすよりも取引を断絶させる可能性の方が大きい。
「急ぎの売り」ではなく「取引の崖」が先に訪れる理由
5月9日のデッドラインが近づくと、二つの相反する動きが同時に現れる。第一は「駆け込み売り」だ。多住宅所有者が重課を回避するために残金を5月9日以前に合わせようと、価格を下げてでも市場に出す流れだ。メディアは、3住宅所有者が10年間保有した盆唐(プンダン)のマンションを10億ウォンの利益で売却する場合、猶予期間内と猶予期間終了後で税負担が大幅に異なる可能性があるという事例を提示し、恐怖心を煽った。
第二は「持ちこたえ」だ。税金が高くなるほど売却は損益分岐点を超えるのが難しくなり、資産家であるほどキャッシュフローが維持できれば「そのまま持ち続ける」という選択が強まる。実際の記事でも、「持ちこたえ」や「贈与」が売り物件の不足(売り控え)を誘発する可能性が指摘されている。
今回の局面でより危険なのは、「駆け込み売り」よりも「持ちこたえ」が優勢になる瞬間だ。取引が減れば価格は一方向にのみ動くわけではない。むしろ同じ団地内でも「売れる物」と「売れない物」が分かれ、価格は指標ではなく「事例」として残る。取引量が減った市場では、過去最高値と急ぎの売り物件が同時に存在する。そして市場参加者たちは、最も目立つ事例だけを拡大解釈する。「体感」が「事実」を圧倒する区間だ。
20年繰り返された「繰り返し再生」が残すコスト
多住宅所有者への譲渡税重課は、歴史的にも「繰り返し再生(ドドリピョ)」に近い。2004年の導入以来、政権交代に応じて猶予・廃止と復活・強化が繰り返されてきたという整理がなされている。
この繰り返しは、単なる税目一つの変更ではない。住宅は1〜2年単位で売り買いする商品ではない。事業・教育・老後・相続・賃貸借まで絡んだ10年単位の意思決定だ。それにもかかわらず、政策が数年単位で「強化—猶予—強化」の振り子運動を繰り返せば、市場は「規則」ではなく「空気を読むこと」で動くようになる。
政策への信頼が崩れると何が起こるか。第一に、取引は税金ではなく「発表」に左右される。「延長されるらしい」「延長されないらしい」といったニュース一つで呼値が揺れる。第二に、税金の効果が目標とは逆に現れることがある。多住宅所有者を叩くと言いつつ、結果的には「賢い一軒」への偏重を強化し、相対的に価値の低い郊外から処分する傾向を助長するという分析が出ている。第三に、税金回避が「贈与」へと流れることで税収は期待ほど増えず、市場の流動性だけが低下する可能性がある。
結論:「税金の刃」よりも「規則の信頼」が市場を動かす
税金は政策のツールだ。しかし、ツールは状況に合わせて使わなければならない。供給が不足し、取引がすでに減っている局面で取引コストをさらに引き上げる処方は、価格を下げるよりも市場の血流を止める危険がある。5月9日は単なる税法イベントではない。政策が「取引の循環」を回復させる能力があるか、市場と疎通して予測可能な規則を提供する意志があるのかを試される日だ。
政治は税金を通じて「意志」を示そうとする。しかし、市場は意志ではなく「日程」と「規則」に反応する。5月9日を前後して、また一度の「繰り返し」が繰り返されるなら、そのコストは特定集団の税負担だけでは終わらない。取引が止まり、価格発見が歪曲され、賃貸借コストが転嫁され、結局は実需者が最も大きなコストを払うことになる。政策が真に標的にすべきは「多住宅所有者」ではなく「不確実性」だ。不確実性が消える時、市場は再び動き出す。
最後に、譲渡税重課という制度が「善悪」の問題ではないという点を強調したい。投機抑制は必要だ。しかし、投機抑制の結果が取引の崖と賃貸借の不安、そして実需者のマイホーム購入費用の増加であるなら、政策は目的を失う。5月9日をめぐる論争は、結局「誰を標的にするか」ではなく「市場をどう動かすか」に収束すべきだ。精巧な規則、十分な予告、一貫した執行。この三つが揃って初めて、市場は税金ではなく常識によって動く。
ペンネーム「パション」で有名なキム・ハクリョル・スマートチューブ不動産調査研究所長は、韓国ギャラップ調査研究所不動産調査本部チーム長を歴任した。NAVERブログ「パションの世界踏査記」とYouTube「スチューTV」を運営・配信している。著書に『書き直す大韓民国不動産使用説明書(2025)』、『京畿道不動産の力(2024)』、『ソウル不動産絶対原則(2023)』、『仁川不動産の未来(2022)』、『キム・ハクリョルの不動産投資絶対原則(2022)』、『大韓民国不動産未来地図(2021)』、『これからは上がる場所だけが上がる(2020)』などがある。