[비즈한국] キム・ヨンボム政策室長が書いた「名目10%後半の経済の歓喜、不慣れさ、そして恐怖(6月20日)」を読んだ。名目成長率が2桁を超えた豊かさを前にした歓喜と恐怖を率直に綴った良い記事だ。しかし、不動産業に携わる者の目には、ある一文がとりわけ大きく飛び込んできた。
「今回は、借金をする人たちではなく、現金を持つ人たちが動く可能性が高い。税金を払ってもお釣りが来るという確信が持てれば、並大抵の規制では力不足かもしれない。」
政策を設計する立場にいる人物が、需要抑制政策の限界を先に認めた格好だ。私は長い間、同じことを言ってきた。需要を抑えつける規制は供給を増やせず、結局は売り物件を市場から締め出すだけだと。その話を、今回は政策室長がマクロ経済の言語で書き直してくれたのだ。
したがって、この記事は単なる経済コラムではない。不動産市場に送る予告編だ。その予告編を我々の言語に翻訳してみよう。

まだ解き放たれていない金、13.2% vs. 3.8%
記事の中で最も恐ろしい数字は、名目成長率17.1%ではない。実質GDPは3.8%増えたが、実質GDI(国内総所得)は13.2%増えたというくだりだ。9.4%ポイントの格差。過去25年間で見たことがない大きさだという。
この2つの数字の差を不動産業者の言語に言い換えるとこうなる。我々が実際に作り出した量(3.8%)よりも、それを売って買える能力(13.2%)が圧倒的に大きくなったという意味だ。半導体価格が非常に上昇したため、同じ労働でより多くのものを買えるようになった。
核心は、これが「すでに確定された購買力」であるという点だ。まだ通帳にすべて入っていないだけで、入ってくることは決まっている。成果給として、賃上げとして、輸出代金の回収として、時差を経て放出される。
不動産市場で最も強力な買いエネルギーは何か。借金ではない。「確定された現金」だ。借金は金利に左右され規制に阻まれるが、手元にある現金はそうではない。今、マクロ指標が予兆しているのは、近い将来、核心立地に向かって流れる現金の総量が異例なほど大きいという事実だ。
借金ではなく現金が動く時
過去数年の規制の論理は単純だった。融資を締め付け、税金を重くすれば需要が冷え込むというものだ。実際に効果もあった。借金をして買う人たちに対しては。
しかし、今回の好況の主体は違う。半導体の成果給を受け取った人、史上最大の経常収支黒字の果実を分かち合った企業とその従事者、株価上昇で評価益を得た資産家たちだ。彼らは借金をして動かない。持っている金で動く。
現金買い手にとって、融資規制は紙の虎だ。LTV(借入比率)が何%かが重要な人ではない。譲渡税の重課?保有税の引き上げ?キム室長の表現のように「税金を払ってもお釣りが来る」という確信さえ立てば、並大抵の規制は参入を遅らせるだけで、阻止することはできない。
ここで譲渡税重課の副作用が重なる。多住宅者に重い譲渡税を課すと、売るべき人が売らなくなる。売り物件が市場から消える。供給が減った市場に、規制で阻まれない現金需要が入ってくる。この組み合わせの結論は一つしかない。好まれる地域の価格は上を向く。
規制は需要を抑えようとしたが、実際には供給を封じ込めている。そして、本来抑えるべき需要は、規制が届かない現金だ。政策室長の記事は、この逆説を事実上認めている。
金は空中にばら撒かれない
それでは、この金はどこへ行くのか。よく「流動性が不動産に流れる」と一括りに言うが、金は全国に均等にばら撒かれない。落ちる場所がある。
今回の好況の震源地を見よう。半導体とAIだ。サムスン電子005930とSKハイニックス00660の営業利益が爆発的に増加し、成果給はその従業員の通帳に入る。その従業員が住む場所、働く場所はどこか。東灘(ドンタン)、平沢(ピョンテク)、華城(ファソン)、水原(スウォン)、器興(ギフン)へと続く半導体ベルトだ。
東灘駅周辺の最高値更新が偶然ではない理由はここにある。マクロのGDI余剰が最初に、最も濃く現実化する立地こそがそこだからだ。職住近接の価値は、成果給が大きいほど増す。良い仕事場から出た厚みのある現金は、その仕事場の近くの「価値ある1軒」へと向かう。
もちろん、江南(カンナム)をはじめとする伝統的な人気エリアも例外ではない。資産家の現金と株式の評価益は、これまでそうであったように、証明済みの立地に集まる。ただし、今回のサイクルの新しい変数は、それに加えて「産業が生んだ新興の現金」が特定地域に集中的に落ちるという点だ。金の出所を辿れば、次の相場の立地が見えてくる。
好況は上へ、緊縮は下へ
キム室長は記事の中で、最も不快な構図を正直に描いた。「好況の果実は上へ向かい、緊縮の苦痛は下へ向かう。」この一文が不動産市場で意味することは明らかだ。二極化だ。それも、マクロ経済の構造が支える、簡単に覆せない二極化だ。
上へ向かう果実は現金持ちをより富ませ、その金は人気エリアに集まる。一方、好況を体感できない自営業者、脆弱な借り手、変動金利の借り手は別の運命に置かれる。名目成長が続けば、今の金利は永久に維持しにくい。金利が上がれば誰が先に打撃を受けるか。成果給をもらった人ではない。借金で外郭の家を買った人だ。
核心地は現金で強固になり、外郭と限界的な借り手は金利に晒される。「平均は良くなるが、中間が揺らぐ」というキム室長の洞察は、不動産地図の上では「立地の二極化」と訳される。
したがって、この局面の戦略は明確だ。揺らがない資産への移動、すなわち「価値ある1軒」だ。漠然としたスローガンではない。好況の果実が上へ向かう構造、緊縮の苦痛が下へ向かう構造、その両方が同時に指し示すマクロ的な結論だ。
シグナルは為替とチョンセから来る
それでは、いつ動くのか。キム室長は親切にもタイムテーブルまで描いてくれた。上半期は静かで、下半期に雰囲気が変わり、真の正念場は年末と来年初めだと。
上半期が静かな理由は、株価が好況を先取りし、人々がまだ様子見をしているからだ。良い数字をニュースで見ているが、自分の人生の現実としてはまだ感じられていない段階だ。それが下半期に実績が確定し、成果給の規模が見え始めると、心の中に確信が宿る。「今年は本当に違うのだな」と。
この確信が行動に変わるシグナルを、私は2つに見ている。
第一に、為替だ。今は半導体輸出の急増が、皮肉にもウォン安を招いている。外国人のリバランシングのためだ。しかし、積み上がった貿易黒字が国内に還収されれば、ウォンは安定を取り戻し始める。キム室長の言葉通り、その瞬間、様子見をしていた人たちが動く。ウォンの安定は「様子見終了、参入開始」のマクロ的シグナルだ。
第二に、チョンセ(伝貰:韓国独自の賃貸制度)だ。私は常にチョンセ価格を売買の先行指標と見ている。現金が本格的な購入に転じる前に、核心立地のチョンセ価格が先に強固になる。ここに2026年の供給不足の懸念が重なる。入居物件が枯渇する区間でチョンセ価格が底堅ければ、チョンセから売買へ移る圧力は通常より速くなる。
為替の安定と核心地のチョンセの反騰。この2つのシグナルが同時に点灯する時点が、市場が動く変曲点だ。年末と来年初めに注目せよというキム室長のタイムテーブルと正確に重なる。
止められなければ流れる
キム室長は記事をこう締めくくった。肝心なのはこの金をどこに流すかだと。半導体が稼いだ国富が不動産の不労所得に吸収されれば好況は長く続かず、若者と未来の産業に繋がれば低成長のトンネルを抜ける出発点になり得ると。
政策の立場からは正しい悩みだ。保有税と譲渡税を合理的に正常化する方向にも私は同意する。ただし、不動産市場の参加者として冷徹に言うなら、その悩みの結論はすでにマクロ指標が予兆している。
止められなければ流れる。そして韓国経済は、このような金が結局どこへ向かうのか、数十年間集団的に学習してきた。今回も例外だと断言するのは難しい。キム室長本人もそう書いている。
政策がこの流れをより良い未来へ向け直すことができるよう心から願う。しかし、その選択が下される前まで、現金は待ってくれない。確定した購買力は時差を経て解き放たれ、規制の届かない場所へと向かう。
数字は方向を示すだけで、選択を代行してはくれない。これは政策だけに当てはまる言葉ではない。この記事を読む我々一人ひとりにも同じように当てはまる。20年ぶりに訪れた記録的な豊かさを前に、我々は長い間直面することのなかった種類の選択を再び迫られている。
歴史的な好況は、それにふさわしい想像力を要求する。そして、その想像力を現実に移す実行力も。政策室長の最後の一文に、私は一つだけ付け加えたい。その実行力は政策だけでなく、市場を読み解く我々にも必要だと。
※筆名「パション」で有名なキム・ハクリョル(スマートチューブ不動産調査研究所長)は、韓国ギャラップ調査研究所不動産調査本部チーム長を歴任した。NAVERブログ「パションの世の中探索記」とYouTube「スチューTV」を運営・進行している。著書に『3040の不動産初心者が初めての不動産投資(2026)』『書き直す大韓民国不動産使用説明書(2025)』『京畿道の不動産の力(2024)』『ソウル不動産の絶対原則(2023)』『仁川不動産の未来(2022)』『キム・ハクリョルの不動産投資絶対原則(2022)』『大韓民国不動産未来地図(2021)』『これからは上がる場所だけが上がる(2020)』などがある。