[비즈한국] 家を買うとき、人は冷静だ。駅まで何分か、学校はどこにあるか、周辺に新しいマンションがどれくらい建つかを吟味する。同じ団地内でも棟や階数を比較し、数百万円を値切るために何日も交渉する。ところが、契約書に印を押した瞬間、奇妙なことが起こる。あれほど厳格だった分析官は消え、自分の家を弁護する者が現れる。欠点は「事情」に変わり、不便は「慣れ」となり、曖昧な開発計画は確定した未来のように受け入れられる。
今、住宅保有者に必要な問いはこれだ。「今日この家を持っていなかったら、現在の価格を払って再び買うか」。答えにくいなら、点検を始めるべきだ。購入時に必要だった根拠は、保有している間も必要である。売らないという選択もまた、自分の資金をその家に配分し続けるという決定だからだ。

最近の市場は、この問いをより切実なものにしている。韓国不動産院の9月28日基準の調査で、ソウルのマンション売買価格は前週より0.09%上昇したが、上昇幅は5週連続で縮小した。江南・瑞草・松坡・龍山は下落し、ソウルの伝貰(チョンセ)価格は0.19%上昇した。売買の速度と賃貸借の圧力は異なり、同じソウルの中でも動きが分かれている。「ソウル」という住所一つで全ての住宅の未来を説明することは困難な市場だ。
このような時、最も危険な言葉は「不動産は結局上がる」という確信だ。どこの地域のどんな住宅をいくらで買い、どれだけの費用をかけてどれくらい保有すべきかを省略した言葉だからだ。長期的に価格が上昇したとしても、その時まで所有権を維持できなければ、自分の利益にはならない。途中で保証金を返せなかったり、利子を負担できなくなれば、遠い未来の価格に意味はない。
逆に「たくさん上がったから売らなければならない」という判断も粗い。価格の上昇と価値の毀損は別物だ。職場のアクセスが良く、生活基盤が強化され、代替住宅の供給が制限されている場所であれば、過去より高くなった価格にも納得できる理由がある。保有するかどうかは、過去の上昇率だけで決められない。今後、その費用を支払ってでも入居したいという需要があるかを確認しなければならない。
第一の基準は、「自分が好きな家」と「市場が選ぶ家」を区別することだ。広いリビングや静かな散歩道は、所有者には大切かもしれない。しかし、次の買い手は通勤時間を、次の賃借人は学校や生活の利便性を優先するかもしれない。自分の満足は「居住価値」の根拠にはなるが、それだけで他人がより高い価格を支払うという結論まで導くことはできない。
その需要を確認する出発点は賃貸借市場だ。似たような住宅がいくらで契約されているか、賃借人を探すのにどれくらいかかるか、新規契約と更新契約の差がどうなっているかを見るべきだ。伝貰の呼値だけが上がり、実際の契約は止まっているなら、需要が強いとは言い切れない。逆に、適正価格の賃貸物件が着実に成約しているなら、居住需要の基盤を確認できる。数字一つよりも、契約が続くプロセスが重要だ。
ただし、伝貰価格の上昇を売買価格上昇の保証書として受け取ってはならない。賃借需要が売買需要に移るには、所得と自己資本、融資の余力が裏付けられる必要がある。伝貰が上がっている間も、売買は停滞することがある。伝貰は居住需要を読み解く重要な手がかりだ。その手がかりを、買値や金融環境まで結びつけてこそ投資判断となる。
第二の基準は、供給の時間と範囲を正確に読み解くことだ。供給が発表されたという事実と、来年引っ越す家ができたという事実の間には大きな距離がある。許認可を受けた住宅がいつ着工し、いつ竣工するかを確認すべきだ。行政区域全体の数字だけでは不十分だ。自分の家と同じ需要を奪い合う生活圏に、どのような価格と商品が入ってくるかが核心だ。
新しいマンションの登場は、既存住宅に異なる影響を与える。道路や商業施設が拡充され、周辺の生活環境が良くなることもある。同時に、似たような費用でより便利な新築が選べるなら、古い住宅の競争力は弱まる可能性がある。周辺開発を無条件で好材料と計算してはならない。開発後も自分の家を選ぶ理由が残るかを検討すべきだ。都市の発展が全ての所有者の利益を等しく保証するわけではない。
第三の基準は保有コストだ。人は売買価格の変動には敏感だが、毎月出ていくお金には鈍感になりやすい。利子、税金、修繕費に加え、今後必要な分担金や保証金の返還額までタイムテーブルに乗せるべきだ。評価益が大きくても、特定の時点で現金が不足すれば選択権を失う。良い資産を持っているという事実が、良い資金構造を代行してくれるわけではない。
再建築・再開発はこの問題を特に厳格に見るべきだ。新しいマンションの予想価格を語る人は多いが、事業の遅延や追加資金の投入を計算する人は比較的少ない。入居後の価値が高くても、その過程で負担すべき費用があまりに大きいなら、保有戦略を調整しなければならない。事業性は、完工時点の価値とそれまでにかかる総費用を合わせて判断する必要がある。
第四の基準は、今日の選択肢だ。過去にいくらで買ったかは、税引き後の損益を計算する時には重要だ。しかし、今後保有する理由にはなり得ない。「元本を回復するまで売らない」という考えにとらわれると、市場状況よりも自分の買値ばかりを見るようになる。次の買い手は、自分がいくらで買ったかに関心がない。今、この家が他の選択肢より良いかどうかを判断するだけだ。
買い替えを検討している1住宅者であれば、価格差に注目する必要がある。例えば、保有住宅が10億ウォンから9億ウォンに、目標住宅が15億ウォンから13億ウォンに下がったとしよう。保有住宅の価格は1億ウォン下がったが、2つの家の差は5億ウォンから4億ウォンに縮まった。取引コストと融資条件が許すなら、住居レベルを高めるために必要な負担は小さくなったと言える。自分の家の価格下落ばかりを見ていては、こうした変化を見逃す。
もちろん、自分の家は最も高い呼値で、買う家は最も安い急ぎの物件で計算してはならない。両方の住宅ともに実際の取引可能な価格を確認すべきだ。売却と購入の日程、残金の調達と引っ越しの計画も合わせなければならない。買い替えのチャンスは値札の中に見つかるかもしれないが、実行可能性はキャッシュフローで決まる。
多住宅者は、家ごとに保有理由を書き出してみるべきだ。一軒から発生した利益が、他の家の弱点を覆い隠していないかを見る必要がある。賃借需要が弱く、修繕費が増え、取引までまばらな住宅を、ただ長く持っているという理由だけで維持する必要はない。逆に、需要が着実で費用を負担できる住宅を、市場のノイズに押されて処分する理由もない。住宅の数よりも、各住宅が資産全体にどのような貢献をしているかが重要だ。
かといって、二度と買いたくない家を今すぐ売れという意味ではない。保有と新規購入の条件は全く同じではない。すでに支払った取引コスト、これから発生する税金、家族の生活基盤と引っ越し費用を考慮すべきだ。子供の学校や職場へのアクセス、長く形成された地域の繋がりは、実際の生活に価値を提供する。実居住住宅の評価は、値上がり益だけで終わるものではない。その価値を明確に認めながら、資産としての弱点も合わせて見る必要がある。
点検方法は複雑ではない。紙一枚に3つの文章を書けばいい。△この家に今後も人が入居する理由は何か? △競合住宅が増えても選ばれる理由は何か? △予想より長く価格が上がらなくても保有し続ける資金はあるか。これら3つに具体的に答えられるなら、一時的な価格変動に耐える根拠ができる。答えが全て「いつかは良くなるはず」なら、保有戦略を再検討しなければならない。
その次は、行動の条件を決めるべきだ。どのような変化が起きれば保有し続け、どのような負担が発生すれば整理するのかをあらかじめ書き出しておくのだ。賃貸需要が維持され、費用も負担できるなら、待つことに根拠がある。需要が弱まり、現金不足が繰り返されるなら、希望だけで時間を過ごしてはならない。判断を先延ばしにするほど、選択可能な売却時期と代替資産は減ってしまう。
今日、あなたの家を初めて見た買い手の目で再び見よ。住所とブランドを一度横に置いて、需要と供給、価格とコストを確認せよ。そして問うべきだ。「今このお金を払って、この家を再び買うか」。そうであれば、保有する理由を明確にせよ。そうでなければ、いつ、どのような条件で変えるのか計画せよ。自分の家の未来を守ることは、自分の家の弱点を認めることから始まる。