[비즈한국] ロシアの大型割引店チェーン「スヴェトフォル(Svetofor)」が、韓国市場への進出を準備している。韓国での運営法人と見られるサブアルケイは、倉庫型ディスカウントストア「プライスフィット(PriceFit)」を前面に押し出し、京畿道華城市を皮切りに龍仁市、牙山市などでテスト店舗を開設する計画だ。長期的には国内店舗を200店舗まで増やす目標を立てているという。ただし韓国は、ウォルマート、カルフール、テスコなどのグローバル流通企業が相次いで撤退した市場だ。ロシア式超低価格店舗が、韓国の消費者に受け入れられるか注目される。

華城1号店を準備、龍仁・牙山での採用状況も
流通業界によると、スヴェトフォルは韓国法人サブアルケイを通じて、国内倉庫型ディスカウントストア「プライスフィット」の出店を準備している。1号店は京畿道華城市に早ければ9月の秋夕(チュソク)連休前、遅くとも年内にオープンする予定だ。店舗は250〜300坪規模の倉庫型ディスカウントストア形態で運営される見通しである。
サブアルケイは、企業情報によると2024年2月19日に設立された有限会社だ。現在の所在地は京畿道龍仁市水枝区のシグネチャー広教知識産業センターであることが確認されている。採用情報からも出店の動きがうかがえる。サブアルケイは以前、京畿道華城市でオープン予定の店舗の管理者を募集し、忠清南道牙山市と京畿道龍仁市の新規店舗の管理者募集も開始した。龍仁の求人情報には、勤務地が「プライスフィット龍仁チョイン店」と記載されている。華城の1号店に続き、龍仁と牙山でテスト店舗を開く計画がかなり具体化しているといえる。
スヴェトフォル、欧州では「メレ」として知られるハードディスカウンター
スヴェトフォルは2009年にロシアのクラスノヤルスクで始まったハードディスカウントチェーンだ。ロシアでは「スヴェトフォル」、欧州では主に「メレ(Mere)」や「マイプライス(MyPrice)」というブランド名で知られている。倉庫型店舗に商品をパレットや箱のまま陳列し、インテリアや人件費、物流費を最小限に抑えることで低価格を実現する方式が特徴だ。
海外の流通業界では、スヴェトフォルが採用するモデルを「ノーフリル(no-frills)」戦略と呼んでいる。店舗の装飾や陳列サービスを削減し、賃料の安い郊外の立地を活用し、制限された人員で運営費を下げる手法だ。商品群も大型マートのように幅広く扱うのではなく、価格競争力を確保できる食品や日用品を中心に構成することが多い。
このような戦略は、景気低迷期の消費者にとって魅力的になり得る。高物価が続き家計負担が増す状況で「最も安い買い物チャンネル」を掲げれば、価格に敏感な層を引き寄せることができるからだ。国内でも、食材料マート、ノーブランド、ダイソー、倉庫型ディスカウント店など、低価格・実益重視のチャンネルは着実に成長してきた。
ただし、プライスフィットがコストコやイーマート・トレーダーズと真っ向からぶつかる構造とは言い難い。コストコやトレーダーズが大型店舗、大量購入、会員制や倉庫型ショッピング体験を前面に出しているのに対し、プライスフィットが準備中の店舗は250〜300坪規模とされている。大型倉庫型ディスカウント店というよりは、地域密着型の超低価格食品・日用品店に近いモデルといえる。
外資系流通の「墓場」韓国、現地化が鍵
韓国市場は、外資系の大手流通会社にとって厳しい場所だった。ウォルマートとカルフールは2006年に韓国から撤退し、英テスコも2015年にホームプラスをMBKパートナーズに売却して事実上撤退した。韓国消費者の生鮮食品へのこだわり、密集した都市型の店舗網、迅速な配送とEコマースの競争、大型マートの営業規制などが、外資系流通会社には高い参入障壁として立ちはだかった。
スヴェトフォルも海外市場で成功ばかりを収めてきたわけではない。欧州では「メレ」ブランドで多くの国に進出したが、一部の西欧諸国では店舗撤退や展開の遅延を経験した。ウクライナ戦争以降、ロシア企業というイメージが足かせとなり、サプライチェーンや現地の消費者の好みに合わせることにも困難があったと評価されている。
韓国でも課題は明確だ。まず、商品のサプライチェーンをどれだけ安定的に確保できるかが重要だ。超低価格流通モデルは、供給業者との直接取引、単純化された物流、低い運営費を前提としている。しかし、国内の食品・日用品市場はすでに大型マート、コンビニ、Eコマース、食材料マート間で価格競争が激しい。単にロシア式の低価格モデルを持ち込むだけでは、差別化は容易ではない。
生鮮食品の競争力も変数となる。韓国の消費者は、野菜、果物、精肉、鮮魚などの品質や買いやすさを重視する。海外のハードディスカウンターのような、限られた商品群と箱陳列中心の売り場構成が、韓国の消費者にどれだけ受け入れられるかは未知数だ。安さだけでなく、品質、衛生、利便性、決済のしやすさ、返品対応などの基本的な流通サービスが伴う必要がある。
ホームプラスの空白の中で進む低価格流通の実験
プライスフィットの登場は、国内のオフライン流通市場が再編される時期と重なっている。ホームプラスが再生手続きを経て店舗運営や協力会社との関係で混乱を招く中、大型マート業界全体は成長の鈍化に直面している。その一方で消費者は、高物価の状況下でより安い買い物チャンネルを求めている。この隙間を外資系の超低価格流通会社が突きに来たといえる。
サブアルケイが華城、龍仁、牙山といった首都圏南部や忠清圏をテスト地域に選んだことも目を引く。華城と龍仁は住宅需要と産業団地が共存する地域であり、牙山もまた背後人口と工業団地の需要がある場所だ。中心市街地よりも賃料負担の低い立地で、実益を重視する消費者を狙う戦略だと解釈される。
業界では、最初の店舗の成果が今後の展開スピードを左右すると見ている。200店舗という目標が実際の出店につながるためには、初期のテスト店舗で商品の回転率と収益性を立証しなければならない。価格競争力だけで顧客を集められるのか、国内の供給業者と安定的に取引できるのか、ロシア系流通会社であるという点が消費者の認識にどのような影響を与えるかも重要なポイントだ。
ある流通業界関係者は「韓国の消費者は価格に敏感だが、同時に鮮度や利便性、ブランドへの信頼も重要視する」とし、「プライスフィットが単に『安い店』という認識にとどまらず、リピート購入を促せるような商品構成を備えられるかどうかが成否を分けるだろう」と語った。