【Biz Hankook】国内最大のファッションプラットフォーム「ムシンサ(Musinsa)」が、最近立て続けに大量の商標出願を行い、注目を集めている。特に企業公開(IPO)を目前に控え、ファッションカテゴリーを超えてペットやリビングなど、ライフスタイル全般に事業の幅を広げている様子だ。業界では、上場を控えたムシンサが企業価値「10兆ウォン」を認められるために、本格的な体質強化に乗り出したのではないかという分析も出ている。

ペット、飲食、レジャー、ライフスタイル、空間など5つの分野で出願
Biz Hankookの取材によると、ムシンサは19日、特許庁に自社ブランド(PB)「ムシンサ・スタンダード」を活用した新規商標を次々と出願した。「ムシンサ・スタンダード PAW(パウ)」「ムシンサ・スタンダード テーブル」「ムシンサ・スタンダード フィールド」「ムシンサ・スタンダード フレッシュ」など、この日ムシンサが出願した商標は30を超える。
出願された商標は、大きく分けて△ペット △飲食(F&B) △レジャー・アウトドア △ライフスタイルサービス △空間・宿泊の5つのカテゴリーに分類される。ムシンサがこれまで注力してきたファッションやビューティーを超え、ライフスタイル全般に事業が拡張されている様子だ。
中でも特に注目されるのがペット事業だ。ムシンサは、足跡を意味する「PAW(パウ)」をはじめ、「ペット」「コンパニオン」などの商標を同時に出願し、ペット市場への進出を可視化した。ファッション業界で新規事業として注目されている「ペットコノミー」市場に、ムシンサも参入する準備をしているのではないかという憶測が飛んでいる。
飲食(F&B)事業への拡張の兆しも見られる。ムシンサは「デリ」「フレッシュ」などの商標を出願した。ムシンサはこれまで、複合文化空間である「ムシンサ・テラス」の聖水(ソンス)や弘大(ホンデ)などでカフェを運営してきた。従来のテラスカフェがショッピング客のための休憩用付帯施設に近いものだったとすれば、今回出願した商標は本格的な飲食事業への進出の可能性を示唆している。「ムシンサ・スタンダード」の名を冠した様々な食品群をオン・オフラインで流通させる可能性も高まった。
ムシンサ側は、直ちに具体的な事業拡大計画があるわけではないと説明した。ムシンサの関係者は「先制的に権利を確保する次元で商標を出願した」とし、「新しいサービスの発売時期や具体的な形態は決まっていない」と明らかにした。
ムシンサはこれまで、商標権の確保を新規事業進出のシグナルとしてきた。昨年9月、ムシンサは「ムシンサ・スタンダード アイウェア」のハングル商標を出願し、先月末には「ムシンサ・スタンダード アイウェア(musinsa standard eyewear)」「ムシンサ・スタンダード グラスズ(musinsa standard glasses)」などの英語商標も出願した。今夏シーズンにメガネやサングラスなどのアイウェア新製品をローンチする計画があるためだ。
もちろん、すべての商標がすぐに事業化につながるわけではない。ムシンサは昨年「ムシンサ・スタンダード フラワー」や「ムシンサ・スタンダード ホテル」などの商標を出願して大きな関心を集めたが、まだこの名前を掲げたサービスや店舗は登場していない。ムシンサの関係者は「昨年出願した商標も同様に先制的な出願だった」と説明した。

「企業価値10兆ウォン」を狙う? IPOを控え積極的な事業拡大
2001年に靴コミュニティとして始まったムシンサは、国内最大のファッションプラットフォームに成長し、現在はファッションを超えて多様な事業拡張を模索している。2022年に自社ブランド「ムシンサ・スタンダード・ビューティー」をローンチして化粧品市場へ第一歩を踏み出し、翌年には自社ビューティーブランド「オードタイプ(ODDTYPE)」などを追加で発表し、市場内での地位を固めた。最近ではキッズやスポーツなどにブランドポートフォリオを拡大している。
オフライン店舗の拡大にも積極的だ。2024年に16店舗だったムシンサ・スタンダードの店舗は現在37店舗に増えた。1月末にはムシンサ・スタンダード・スターフィールド・ビレッジ雲井(ウンジョン)店が新たにオープンし、2月には現代百貨店木洞店と新世界プレミアムアウトレット坡州(パジュ)店もオープンする予定だ。ムシンサの関係者は「昨年10店舗以上の新規店舗を出店し、今年も同水準の新規出店を準備している」と伝えた。
業界では、ムシンサの積極的な事業拡張について、企業公開(IPO)を控えた「企業価値引き上げ」戦略ではないかという解釈も出ている。オンラインファッションプラットフォームだけでは成長性の証明に限界があるためだ。国内のオンラインファッション市場は飽和状態に達したとの評価が出ており、新規顧客の流入も鈍化している。すでに市場で圧倒的な1位の座を固めたムシンサだが、今のようにファッションプラットフォーム内での成長だけでは、まもなく頂点に達するだろうという観測が支配的だ。
ムシンサは昨年12月、韓国投資証券とKB証券、海外証券会社としてはシティ・グローバル・マーケット証券とJPモルガンを上場主幹事として選定し、IPO手続きを進めている。ムシンサが目標とする企業価値は約10兆ウォン規模と報じられている。
一部では今年上半期の上場可能性も取り沙汰されたが、市場状況や内部整備のスピードなどを考慮すると、上半期内の上場は事実上困難だという見方が強まっている。ムシンサの関係者は「IPOに関して公式に決まった日程はない」と説明した。